Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2018.01.26

超AI時代、私たちの暮らしはポジティブに変化する【落合陽一×小暮学】

小暮学 株式会社インヴァランス代表(左)と落合陽一 筑波大准教授・学長補佐

テクノロジーが類を見ないスピードで進化し続ける現代。時代の半歩先を生きる人は、いったい何を見て、何を考え、感じているのか、彼らの頭の中を知りたい──。

2045年には、人工知能(AI)が人間の知性や能力を超える「シンギュラリティ(技術的特異点)」が訪れると言われる。「AIが人間の仕事を奪う」など、人々の不安を煽る報道も少なくない。

一方で、AIのことをよく知れば、AIが私たちの暮らしをより豊かに、便利にしてくれることも考えられるはず。すべての人にとって未知ともいえる、そんな超AI時代、私たちの暮らしはどんな変化を遂げていくのだろうか。

全6回の実験的企画「blueprint lounge.」では、研究者、起業家、メディアアーティストなど、いくつもの顔を持ち活躍する「現代の魔法使い」こと落合陽一氏をオーガナイザーとして、専門家を招いて次世代の暮らし方を考える。

第1回は同プロジェクトを主催する、不動産事業を手がける、株式会社インヴァランス代表の小暮学氏が登場。インヴァランスが開発を進めている、AI、IoT搭載マンションのトピックで会話が始まった。


次世代の住まい「AIマンション」

聞き手:最近、御社の「AIマンション」の記事をメディアでよく目にします。米ブレイン・オブ・シングス(BoT社)が開発する、スマートホーム向けAI「CASPAR(キャスパー)」を搭載したマンションがあるとか?

小暮学(以下、小暮):2017年からBoT社に出資を始め、今までになかったAIマンションの開発を共同で進めています。弊社にて販売中のマンション、LUXUDEAR高輪(ラグディアタカナワ)などにもキャスパーを導入し始めています。

落合陽一(以下、落合):キャスパーのこと、詳しく教えてもらえますか。



小暮:キャスパーは100を超えるセンサー(ビジュアルセンサー、モーションセンサー)やマイクで、温度や湿度、照度、振動などを感知し、住まう人の生活を学習します。カーテンの開閉や照明、エアコン、床暖房のオン/オフなど、キャスパーを通じて制御できます。

落合:センサーはどこに付いているんですか?

小暮:玄関や寝室、キッチン、トイレ、浴室など、家中の至るところですね。カメラも付いていて、入居者の動きを常に検知し、音声や各センサーで得たデータを元に最適な動作をします。弊社の社員にキャスパーを導入した部屋で、しばらく暮らしてもらったんですよ。



落合:キャスパーはどう学習していったんでしょうか?

小暮:最初は電気などのスイッチを押して生活していましたが、3日くらい経つ頃にはキャスパーが住む人の行動をどんどん覚えていき、サポートしてくれるとわかりました。「キャスパー」と名前を呼びかけると応じてくれることも。AIって人に寄り添ってくれる点で、パートナーみたいだなって僕は思うんですよね。

落合:最近のAIは生き物っぽいですよね。僕は、近頃のDeepLearningなど、機械が生物みたいに進化していく過程を見るのが面白い。

小暮:わかります。1日の間に、人が家の中でするアクションは約90といわれます。うち約8割をキャスパーが担ってくれるようになるんです。ほとんどの行動をAIがするようになる。

落合:今でも普通にある、人感センサーで電気がつく仕組みが、ネットワーク化してカメラと組み合わさってよりスマートになって、さらにいろいろできるようになるイメージなんでしょうね。

小暮:例えば、夜中に目覚めて寝室からキッチンへ水を飲みにいくとしますよね。現状の人感センサーだと、時間帯や状況に関係なく、同じ明るさで電気がつく。これが、今は夜中だから日中よりも薄暗い電気をつけてくれる、という風にもっと快適にスマートになっていくでしょうね。

聞き手:なるほど。もうひとつ、御社で開発したスマートアプリ「alyssa.(アリッサ)」についても伺えたら。

小暮:ハードウェアではなく、ソフトウェアやテクノロジーが、入居者の経験や体験をより良いものにできるのでは、という思いで開発を進めてきました。16年12月にβ版、17年2月に正式版をローンチし、LUXUDEAR高輪など、500戸以上に搭載しています。温度や湿度の調整や照明、エアコンなどのオン/オフをスマホから遠隔操作できるIoT機能(入居者限定機能)が付いています。



落合:御社が作っているのは新築ですよね?

小暮:そうですね。センサーなどの機器とワイヤリングのインストールは大変なんですが、弊社はアーキテクツの段階から入れるので、センサーが感知できる距離の問題などを最初から計算してインストールしていくことができます。

落合:なるほど。中古車にカメラを付けても絶対にテスラモーターの車にはならないのと同じで、キャスパーにしても、アリッサにしても、レトロフイットさせるよりは、新たに建ててテクノロジーを搭載するほうがはるかに簡単ですよね。
※レトロフィット:旧型のものを改造して新しい技術を組み込み、機能の追加更新や環境への対応を行うこと。

小暮:おっしゃる通りですね、中古物件に後付けしようとしても調整しなければならないことも多く、なかなか難しいです。
次ページ > AIに任せて、人は動かなくなる?

Promoted by インヴァランス

タグ:

ForbesBrandVoice