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2018.01.26

超AI時代、私たちの暮らしはポジティブに変化する【落合陽一×小暮学】

小暮学 株式会社インヴァランス代表(左)と落合陽一 筑波大准教授・学長補佐


落合:ちなみにキャスパーが取得する画像は、ローカルで処理していますか?

小暮:驚かれると思いますが、そうです。

落合:もしクラウドに送っているとすると、画像を認識するまで2秒くらいかかるなと思ったんです。通信インフラが5G(第5世代移動通信システム)になると、画像認識速度が超高速になる。5Gは通信速度を10Gbpsに引き上げる方向で検討されていますし。そうやって超高速大容量、超低遅延の通信ができるようになると、AIやIoTの普及と結びついて、AIは僕たちの暮らしにより身近なものになっていくでしょうね。

人は動かなくなる。AIを活用した健康維持・管理が進む未来

小暮:先のスタッフが、「住んでいるとき、キャスパーが見守ってくれている感覚があった」と話していたのは、興味深いなと感じました。住めば住むほど自分自身でやることが減っていって、眠りにつきそうなときは、そっと電気を消して、カーテンを締めてくれるわけです。

落合:人はますます動かなくなるでしょうね。太りますよ(笑)。



小暮:人生100年時代、100年動かない人間がいてもおかしくない日が来るかも(笑)。そのぶん、人間は何か違うことをするようになるんでしょうね。

落合:むしろ、スポーツばかりしてるかもしれませんね。人間の体のことを考えると、心臓に負荷をかけないほうが長生きできますけどね。極端な話、まったく動かない人のほうが、運動する人より長生きしますから。

小暮:確かに。

落合:AIが人の健康を管理するようになり、予防医療が当たり前になると、人の寿命はさらに伸びると思いますよ。AIマンションならぬ、AI老人ホームなんてすごく良いんじゃないですか。湿度の維持や換気を適切に行って、病気の感染経路を完全に断つシステムも夢じゃない。

小暮:老人ホームに限らず、高齢者はAIマンションのターゲットです。例えばAIを活用することで、高齢者が室内で倒れてしまったら、家族にアラートを流して、異変を伝えることもできます。

落合:5年後くらいには、高齢者がセンサー付きの家に住むのは普通になっていると思います。孤独死は減るでしょうね。

小暮:高齢者は余生の6割を家で過ごすと言われます。そのぶん、室内で亡くなる可能性も高いわけで。スマート化していくべきですよね。センサー付きの家で、室温と体温の差を確認して、「◯度差があると暖房(冷房)を付けよう」とAIが学習してくれて、温度差を見て適切な室温に調整し、病気にならない状況を作ってくれる──そんな時代は数年後に来ると思います。

落合:老人ホームに限らず、家の住みやすさはより重要になりますよね。ひとつの理由として、兼業する人がこの先増えていくからです。ひとつの職業に就いているだけでは、ポートフォリオ・マネジメントもリスク分散もできません。

小暮:ご著書『超AI時代の生存戦略:シンギュラリティに備える34のリスト』にも、兼業で働く人が増えるお話を書かれていましたね。

落合:はい、さらにテレワークも増えていくでしょう。メールの返信や電話対応をオフィスでやる意味はなくて、在宅でできる仕事です。家にいて動かなくなるわけですから、ヘルスケア分野がますます注目されるようになるでしょうね。



小暮:室内でのヘルスケアを考えると、キッチンも×AIで進化していくと思います。料理の写真を見せると、それを作ってくれるAI搭載ロボットを製造する会社が海外にあるんですよ。現時点ではオムレツなど、ごく簡単な料理だけ作れるようですが。今後はテクノロジーを活用してキッチンがより便利になるだけでなく、健康になれる料理をAIが考えてくれるなど、UX、体験寄りの開発が進んでいくと僕は見ています。
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