さらに、スマートスピーカー所有者の多くが、音声アシスタントの利用により、スマートフォンやテレビの利用時間が低下したと答えた。
今回のデータは2017年11月17日から5日間のオンライン調査に回答した806名の回答に、2017年12月26日から4日間の電話調査に回答した1010名の回答を加えたもの。回答者らは全て18歳以上の米国人だった。また、オンライン調査の対象者は全て、アマゾンかグーグルのスマートスピーカーの所有者だった。
今回の調査手法はランダムなものではなく、この結果が米国人のスマートスピーカーの利用動向を完全に正しく反映しているかどうかは、定かではない。ただし、調査チームはアメリカ人の16%に相当する約3900万人がスマートスピーカーを所有していると推測している。また、18歳以上の米国人の11%はアマゾンの「エコー」を所有し、4%はグーグルの「グーグルホーム」を所有していると推測している。
また、回答者の多くがスマートスピーカーを音楽の聴取に利用していることも明らかになった。71%がスマートスピーカーを購入以降、音楽を聴く時間が増えたと回答した。また、60%が友人や家族を過ごす時にスマートスピーカーで音楽を聴くと答えた。
さらに、スマートスピーカーに一般的な質問をすると答えたのは30%、天気情報を尋ねると答えたのは28%。また、スマートスピーカーの利用によりスマホの利用時間が減ったと答えたのは34%。テレビを観る時間が減ったと答えたのは30%だった。
また、どんな場面でスマートスピーカーを利用したいかを尋ねたところ、テレビを観る場合に利用したいと答えた人の割合は53%、電話をかける場合と答えた人の割合は60%、自動車に乗車中と答えた人は64%だった。
意外に低いスマートホーム利用
スマートスピーカーは、家庭内の照明や冷暖房のコントロールにも適していると宣伝されているものの、直近の1週間でこういった目的で利用経験を持つ人の割合は31%にとどまった。
今回の調査で明確になったのは、スマートスピーカーの導入率は増加しており、人々はこのデバイスを買い物やスマート家電の操作以外の事に、より多く活用しているということだ。
筆者個人は、スマートスピーカーの購入以来、スマートフォンで音声アシスタントを利用するケースも増加した(今回の調査対象者の44%も同様な傾向を示していた)。また、車を運転する場合に「アンドロイドオート」のボイスアシスタント機能を使う事が非常に多くなった。
今年の家電見本市「CES」では、音声アシスタント対応のテレビや家電製品などが数多く展示された。これが未来のトレンドの反映であるとするならば、現状のスマートスピーカーの利用ケースは、今後拡大する音声アシスタントの利用形態のごく一部でしかないとも考えられる。音声アシスタントは、人々の暮らしにおいて、今後さらに様々な場面で活用が進むことが考えられる。