ウォール街の重役を歴任してきた数少ない女性の一人で、現在は女性専用の資産運用プラットフォーム「Ellevest」のCEOを務めるサリー・クロウチェックは、「社会がそう仕向けてきた」と言う。「私たちの多くは、母親にそう言われて育ってきた。祖母の世代になると、全員がお金の話は下品だと言う。でも考えてみて。お金について話すことが許されないなら、女性はどうやって昇給を求めればいいの?」
11月11日、マンハッタンにてリーダーを目指す女性ためのイベント「Girlboss Rally」が開催され、著名な女性起業家やクリエイターが600人超の参加者を前に熱いトークを繰り広げた。同イベントは、元「ナスティ・ギャル」CEOのソフィア・アモルーソが率いるメディア企業「Girlboss」の主催によるもので、2017年春に開かれたロサンゼルス大会に続く第2回となる。
「私たちと$$の関係」と題されたパネルディスカッションには、クロウチェックの他、フィットネス系スタートアップ「Proday」創業者でテック業界のセクハラ告発者としても知られるサラ・クンストと、メリルリンチを経てミレニアル世代向けのファイナンシャルプランナー会社「Stash Wealth」を立ち上げたプリヤ・マラニが登壇。3人は、女性が経済的成功を目指すことをよしとしない社会や、投資の世界におけるジェンダー・人種の不平等などについて語った。
アフリカ系アメリカ人のクンストは、テック業界の黒人女性起業家の現状を調査した「プロジェクト・ダイアン」を参照しながら、多様性が進んでいないことを指摘。白人男性による倒産したスタートアップが平均130万ドル(約1億4760万円)を資金調達しているのに対し、黒人女性起業家の平均資金調達額がわずか3万6000ドル(約409万円)であるという同調査のデータを示し、有色人種の女性としてビジネスの世界で戦っていると「世の中に騙されているような気分になる」と話した。
一方、マラニが主張したのは、金融知識をつけることの重要性だ。2017年になっても義務教育のカリキュラムで金融が扱われない現状に触れ、「お金は言語のようなもの。私たちは(高校で学ぶ第二外国語として)スペイン語、フランス語、ドイツ語の選択肢を与えられるけれど、お金について教わる機会はない」と述べた。