本ランキングは、外部評価委員10名、1名のオブザーバーを迎え、1. グローバル性、2. 事業規模、3. 実績・成長性、4. 経営者・経営チーム、5. 社会課題の解決という5点から、日本の次世代を担う起業家を選出したもの。セレモニーには、400人近い、経営者、投資家、起業家らが見届ける中、選ばれた起業家を表彰した。
今年は、新しい試みとして、社会的課題の解決に取り組むソーシャルビジネスの発展を支える「ソーシャル・ビジネス・プラットフォーム(SBP)」と共同で、高校生を対象にしたビジネスプランコンテストを新設。最も優れたアイデアとして「Forbes JAPAN賞」を獲得した福島県立福島高等学校のSS部好適環境水班メンバーが、福島の温泉街を救う「好適環境水による完全陸上養殖の実現」のアイデアについてプレゼンテーションを行なった。
<登壇者のコメント>
フォーブスジャパン編集長 高野 真
「10人の評価委員の皆様と4時間の熱い議論を繰り広げて、順位を決めた、特別な思いのあるランキングだ。日本経済にとって、イノベーションを起こす起業家の存在はとても重要だと思っている。だからこそ、こうした表彰を通して、皆様とともに起業家の皆様の活躍を応援していきたい」
【日本の起業家ランキング2018 BEST10】
[左から]1位. 松本恭攝(ラクスル)、1位. 三輪玄二郎(メガカリオン)、3位. 岡田光信(アストロスケール)
1位 メガカリオン(Megakaryon) 三輪玄二郎
「最高齢である66歳。起業時から60歳の“還暦スタートアップ”。創業時に、ハーバード大学教授に『スタートアップの成功確率に年齢は関係あるのか』と問うた。その答えは『差はある。しかしそれは、20代だけだ。30代から70代までは起業の成功確率に差はない。Never Too Lateだ』と励まされた。まだ66歳なので、70代でも、スタートアップに挑みたい」
1位 ラクスル(RakSul) 松本恭攝
「先日、中国を訪れたが、創業3年〜5年でユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)となる企業が増えている。中国がゼロイチで事業創造しているのに対し、日本では既存産業をいかにトランスフォーメーション(変革)できるかが、求められている。仕組みを変えれば世界はもっと良くなるというビジョンのもと、既存産業にインターネットを持ち込み、新しい仕組みを創り、日本流のイノベーションを起こしていきたい」
3位 アストロスケール(ASTROSCALE)岡田光信
「宇宙ゴミ除去は事業化が難しい領域。それでも挑戦し、技術、ビジネスモデル、グローバルの法規制といった事業化の課題をクリアし、ハーバード・ビジネス・スクールの事例にもなった。だが、ここにきてまた、11月に初めての衛星の打ち上げが失敗に終わるという『ここでもか』と洗礼を受けた。こうした賞を、チームの皆で、壮大な挑戦を続けていく支えにしていきたい」
4位 Sansan 寺田親弘(代理出席)
5位 ビズリーチ(BizReach) 南壮一郎
5位 アルム(Allm) 坂野哲平
7位 パネイル(Panair) 名越達彦
8位 Omise 長谷川潤
9位 BASE 鶴岡裕太
10位 ライフロボティクス(Life Robotics) 尹祐根
【特別賞】
・社会貢献賞 WHILL 杉江理
・応援したくなる経営者賞 フローディア 奥山幸祐
・カッティング・エッジ賞 アクセルスペース 中村友哉
・〈みずほ〉賞 AZAPA 近藤康弘
・ポルシェジャパン賞 ALE 岡島礼奈
【SBP×Forbes JAPAN賞】
福島県立福島高等学校 SS部 好適環境水班
[アイデア]東日本大震災後、急激に観光客が減少した福島県の土湯温泉。その現状を地元の課題ととらえ、温泉街の新しい魅力を創造することを目的に、温泉の地熱を利用して養殖した鰻、魚の販売を行う。海水でも淡水でもない、魚の成長を促進すると研究を続けてきた「好適環境水」を活用。安心・安全で、効率的な完全陸上養殖の実現を目指している。
【RISING STARアワード】
創業3年以内の起業家を対象にウェブ公募・投票などで選定
1位 エブリー 吉田大成
2位 東京ロケット 我妻陽一
3位 モスキートーン 堀浩輝
【日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング】
1位 村田祐介 インキュベイトファンド
「起業家を支える影の存在のベンチャー投資家にも光が当たるようになり、これまで2年連続TOP10入り、今年は1位になった。今年は、結婚し、子供も生まれ、投資先が上場し、ランキングでもいい順位になって、良かった。今年は、次のベンチャー投資家のゼネラルパートナーを育成するファンドも創設した。次の起業家を支える次の投資家を育てながら、結果を残していきたい」
2位 坂 祐太郎 ジャフコ
3位 井坂省三 ジャフコ
日本の起業家ランキング2018の受賞者、評価委員ら
■「日本の起業家ランキング2018」選考方法
ランキング評価委員会は、10月3日に開催された。弊誌・高野真編集長をモデレーターに日本のスタートアップ業界に詳しい計10人の評価委員会メンバーと1人のオブザーバーから、編集部とともに剪定したショートリストの起業家30人についての意見を聞き、ランキング上位集団を選定。最終的に、評価委員の投票によって順位を決めた。
■「日本の起業家ランキング2018」ランキング評価委員会
マネックスグループ・松本大代表執行役社長CEO、あすかホールディングス・谷家衛取締役会長、産業革新機構・土田誠行専務取締役、グロービス・キャピタル・パートナーズ・仮屋薗聡一マネージング・パートナー、C Channel・森川亮代表取締役、WiL・伊佐山元共同創業者CEO、フィスコ・狩野仁志代表取締役社長、グローバル・ブレイン・百合本安彦CEO、ジンズ・田中仁代表取締役社長、Dron Fund/個人投資家・千葉功太郎General Partner、[オブザーバー]みずほ銀行・大櫃直人イノベーション企業支援部部長