子どもの場合はどうだろう? メンタルヘルス休暇として、学校を休ませてもよいだろうか? 当然ながら、答えは単純ではない。
心理療法士としての15年間のキャリアで、私は親に対し、子どもに時々学校を休ませてメンタルヘルス休暇を取るよう勧めたことが何度かある。しかし一方で、メンタルヘルス休暇がむしろ子どもに悪影響を与えていることを親に分からせなくてはならなかったことも多くある。
子どもにメンタルヘルス休暇が必要かを知る方法
インフルエンザにかかった子どもに学校を休ませることに疑問を持つ人はいないだろう。しかし、精神的な問題が理由の場合、どんな時に子どもを自宅に留める必要があるのかは、判断しづらい。
「皆の前で発表するのが怖い」「算数の宿題が終わっていない」というときでもきちんと登校するなど、嫌なことを通じての成長は、子どもにとって大切だ。自分でも知らなかった強さを学べるからだ。
しかし、まともに動けないほど気分がひどく、登校することでますます状況が悪化しそうな場合、医者はメンタルヘルス休暇を取るように言うかもしれない。
年に1、2回程度のメンタルヘルス休暇を取ることで、子どもは身体と同じように精神もケアすることが大切だと思えるようになるだろう。また、心を澄まし、強くあるために必要な「心の筋肉」を鍛えるためにも、非常に良い機会となるだろう。
良いメンタルヘルス休暇の取り方
心を回復させるために学校を休ませるなら、その日をできるだけ有効に使いたい。その日だけを気分良く過ごすことで終わらせず、その先長い間、子どもにとって助けとなるような機会にしよう。
次のことに時間を使うとよい。
・問題を解決する
学校でいじめられた、落第しそうな教科がある、など、なにか特定の悩みがある場合、メンタルヘルス休暇を使って問題解決に努めるのがよい。学校との面会を設定して子どもと一緒に問題解決にじっくり取り組んだり、支援してくれる人に会ったりしよう。
・セルフケアの実践
子どもが疲れ切っていたり、過労気味だったりする場合、1日休むことでエネルギーを充電することができる。早めの就寝、栄養ある食事、運動など、より健康的な生活習慣を始めるきっかけとなるかもしれない。
・専門家に会う
登校が難しい場合は、専門家の助けを求めよう。小児科医に診てもらい、メンタルヘルスについて相談する。必要な場合は精神科医を紹介してくれるかもしれない。