しかし、チームの財政状況はその後も改善していない。フォーブス記者のBobby McMahonは今から約1ヶ月前、リーと面談しミランが赤字を出しつつも、巨額な費用を選手の補強に費やしている点を指摘したという。「ミランは2億ドル以上を支払って、チームの補強に乗り出した。これは欧州のサッカーチームで最大レベルの出費だ」
そもそもの問題として、リーがミランの買収にあたり、非常に金利の高い借金に頼ったことがあげられる。この件に関しては次のような報道もある。「資金調達に挫折したリーは、米国の投資ファンドのエリオットファンドから金を借りた。エリオットファンドは破綻国家から膨大なリターンをむしり取る、ハイエナファンドと呼ばれる側面もある。同社はかつてペルーやコンゴといった破綻国家の国債を二束三文で買い叩き、原油タンカーやインフラ等を差し押さえた上で転売し、法外な利益を得てきた」
リーが借金を返せない場合、エリオットファンドがチームを乗っ取り、別の買い手を探す可能性も浮上しているのだ。
ESPNの報道ではリーは2018年10月までに3億5000万ドルを用意しないと、エリオットファンドにチームを奪われる可能性があるという。また、ニューヨークタイムズ(NYT)も先週、「リーの資金が底をつきつつあるのではないか」との記事を掲載した。
「中国の企業データによると、リーが支配権を持っていると主張した鉱山企業は、既に名義が書き換えられている」とNYTは報道した。
筆者の予測ではACミランは来シーズンも苦しい財政状況が続き、遅かれ早かれ再び売却されることになるだろう。売却額はリーが支払った金額を下回るかもしれない。