これはReach Roboticsのような小規模企業にとっては偉大な快挙だ。アップルは同社で取り扱う製品を厳しくセレクトしており、最大の注目を集めるクリスマスシーズンにアップルの棚に商品を並べられる意義は非常に大きい。
Reachは創業4年の企業で、大学で知り合ったメンバーらで起業した。同社のトイロボットのMekaMonはAR(拡張現実)テクノロジーを活用し、スマホやタブレットからの操作で対戦が行える。ゲームは一人でも楽しめるが、2名で行う対戦バトルも可能だ。
MekaMonは4つ足のカニ型のロボットで、自宅のリビングルームの床などに置いてスマホ等で操作すると、スクリーン内にロボットが射出するビームやゲーム内のオブジェクトが現実世界に重ね合わせて表示される。「リアルな世界とゲーム内の世界をうまく組み合わせることを念頭に置いて、開発を進めた」と同社CEOのSilas Adekunleは述べている。
Reachは昨年、MekaMonの初期モデルを500台販売し、ユーザーからのフィードバックにより製品を改善した。また、今年初めに750万ドル(約8.5億円)の資金をKorea Investment Partners やIGlobe Partnersらから調達し、正式発売の準備を進めてきた。
MekaMonは既にガジェット専門家たちから高い評価を得ているが、アップルでの販売が決まったことは巨大な前進といえる。Adekunleによると、アップルとは投資家の紹介で知り合い、当時アップルがARへの注力を進めていたことから、絶好のタイミングであると考えたという。
「楽しく遊べるだけでなく、ARテクノロジーの理解を促進するツールとしてこの製品をアピールしていきたい」とAdekunleは述べた。
MekaMonは1台約300ドルで販売される。Reachは今後、この製品を軸としたARロボットのプラットフォームを構築する計画で、今後さらに多様なゲームが楽しめるようにしていく考えだ。