ロケットエンジン企業にも出資
タークジンスキーは、ノースイースタン大学在籍中にスタートアップ2社を創業した後、Y Combinator出身者が立ち上げたゲーム動画共有サービス「Kamcord」に勤務。今から2年前に、ニュージャージー州の実家でContrary Capitalの創業準備を始めた。
全米の大学をめぐる旅に1年をかけ、元SoFiのダン・マックリン、元テスラのマーティン・エバーハード、TwitchのCEOエメット・シアーなどの協力を得て資金を調達。その総額は、現在進行中の契約が成立すれば500万ドル(約5.7億円)〜700万ドル(約8億円)になる予定だ。
2016年度をテスト期間だと捉えていたタークジンスキーは、2017年3月に初めて学生スタートアップに出資した。ロケットエンジンの製造新技術を研究開発するカリフォルニア大学サンディエゴ校の「Additive Rocket Corporation」と、医療機関による患者へのフォローアップ電話の管理ツールを開発するブリガムヤング大学の「Cortex Health」が、Contrary Capital初の投資先となった。
大損と隣り合わせのVC業界の中でも、先行きがまだ不透明な学生スタートアップへの投資はリスクが高い。Contrary Capitalの成功は、同社の学生投資家たちが将来有望なスタートアップを見分けられるか否かにかかっている。
タークジンスキーは彼らの能力を最大限に引き出すため、Y Combinatorで行われている研修と同種のプログラムを取り入れ、専門のスタッフを増員する予定だ。
2017年の秋も、タークジンスキーは全国のキャンパスをめぐる旅に出る。「半分冗談のような答えですが、私がまったく休まずに働き続ければ、成功すると思います。確かに、ゴールまではまだ遠い道のりです。しかし、もしあなたが(Contrary Capitalと契約を結んでいる)大学に行くことがあれば、聞いてみてください。私たちの存在や目的は認知されているはずです」