GMは10月24日、今年第3四半期(7~9月)の決算を発表。それによると、特別費用を除いた同期の1株利益は1.32ドルとなり、アナリスト予想の1.14ドルを大きく上回った。
赤字が大幅に膨らんだのは、傘下の欧州部門、オペル/ボクスホールの仏PSAグループへの売却費用がかさんだため。また、過剰在庫の調整のため北米工場の稼働を停止したことにより、売上高は前年同期比14%減少した。
GMのメアリー・バーラ会長兼CEOは発表文で、北米では計画どおりに減産を行ったが、堅調な業績を達成したと説明。「われわれは未来の輸送手段を形作るものをはじめ、より高い収益を得ることができる機会に対して投資を行っている。そして一方では、現時点での実績をあげるため、規律ある事業運営を行っている」と述べている。
GMは来年上期に発売するピックアップトラックやSUVの新モデルの生産開始を前に、生産調整を行うと数か月前に発表。第3四半期の業績は、今年度中で最も落ち込むとの見通しを明らかにしていた。
米自動車業界は、SUVやクロスオーバーに人気が集まる一方、セダンが人気を失い、販売台数を大幅に減らしている。GMもその影響を受けており、過剰在庫を削減するため、セダンの大幅な値引きなどを行った。
それでも、同期の修正後EBIT(利払い・税引き前利益)は25億ドルとなっており、逆風の中でも中核事業は堅調であることを示した。修正後EBITが約36億ドルから21億ドルへと8.3%減少した米国を含め、全ての事業セグメントで利益を上げている。
チャック・スティーブンス最高財務責任者(CFO)によれば、「第4四半期には新モデルの発売も控えている。コストには特に注意を払っており、今年度末までは好調な業績を予想している」という。
GMは過去3年以上にわたり、堅調な業績を維持してきた。ただ、自動運転車や電気自動車、カーシェアリングなどの関連テクノロジーにおいて同社が主導的な立場にあることに、投資家たちが気付き始めたのは比較的、最近のことだと見られる。GMの株価はここ1か月ほどで、17%近く上昇していた。