テクノロジー

2017.10.05 11:00

GMが描く「自動運転」の本格導入、都市部の課題と可能性

(Photo by Bill Pugliano/Getty Images)

(Photo by Bill Pugliano/Getty Images)

米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のクルーズオートメーション(Cruise Automation)は、自動運転の実用化に向けて米国の都市部で厳格なテストを重ねていくと宣言した。
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10月3日、クルーズCEOのKyle Vogt はカンファレンスの場で、サンフランシスコ市内での自動運転車の走行テストが、いかに過酷なものであるかを明かした。路肩には二列駐車された車も多く、救急車等の緊急車両に遭遇することも度々だ。

「自動運転の実用化に向けてリアルな道路環境でテストを行うことは非常に重要だ。コンピュータに車を運転させる場合、刻々と変化する周囲の状況を正確に認識させなければならない」

Vogtは自身のブログの記事で、混雑したサンフランシスコ市内ではフェニックスの郊外と比べ、道路工事に遭遇する率が19倍も高いと述べている。狭い道路で対向車とすれ違う確率は24倍、緊急車両に遭遇する確率は47倍に及ぶという。
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「これまでの経験から言うと、サンフランシスコ市内での1分間のテスト走行で得られる経験値は、郊外でのテスト走行の1時間分に相当する」

自動運転分野では過去2年間ほどの間に、数十億ドルの資金がソフトやハードの開発に注がれてきた。レベル4やレベル5と呼ばれるタイプの自動運転が実現する時期は今でも明確ではないが、この分野ではウェイモやクルーズ、ウーバーやテスラ、フォードらが覇権を争っている。

今年9月、GMとクルーズは彼らが手がける自動運転プラットフォームが「世界初の大量生産が可能な自動運転車両を生み出すことになる」と宣言し、ハッチバックタイプの「シボレーボルト」のEVモデルにLiDARセンサーやカメラ、コンピュータとクルーズ製のソフトウェアを搭載すると述べた。

一方で、アルファベット傘下のウェイモも「世界初の自動運転車両を用いた商用ライドシェアサービス」の準備を進めているとニュースサイトThe Informationが報じている。

ウェイモは自動運転車両のテストをカリフォルニア州のマウンテンビューとフェニックス郊外で実施しているというが、Vogtの考えでは人口の少ない郊外で自動運転車の商用シェアサービスを行うことはコストに見合わないという。

「ビジネス面から考えると、自動運転車の導入は郊外よりも都市部でのほうが、コスト効率性が高い。自動運転車を一定の規模で投入するにあたっては、単独で持続的に運営可能なビジネスモデルが必要だ」とVogtは、カンファレンスの場で記者たちに述べた。

編集=上田裕資

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