COOとは、技術の発達と統合が進む世の中で、強力で統一された顧客体験を通じ企業を成功に導くことができる役職だ。基本的な役務は、さまざまな窓口と顧客向け技術を統合し、顧客と従業員のオムニチャネル体験(あらゆる接点からつながること)を創ることだ。同様の任務の職位は他にもあるが、COOは、企業が一丸となって取り組むための決定を下す権限を持つ。
現代の企業の多くは列島のような組織運営がされており、各部署がマーケティング島、経理島、カスタマーサービス島というように別々の動きをしている。島同士の交流はほぼ無く、各島がそれぞれの部署のことだけを考えて働いている。サイロ(縦割り)型の組織構造では従業員のフラストレーションも溜まり、進捗を確認したり仕事を進めたりすることも難しくなる。
企業内部がバラバラだと、外部でもそれが露呈し、顧客もそれにすぐ気付く。例えば、相談センターに電話するたびに違うことを言われたり、相談した従業員が誰も問題解決法を知らなかったり、マーケティングキャンペーンでの約束が実現されなかったり、各店舗やオンラインで買い物をする時の体験が全く違っていたりする時だ。
COOはこうした縦割り体制を崩し、島々を一つにまとめることができる。経営幹部としてのCOOの影響力の下、企業はよりまとまりのある社内プロセスを築くことができ、従業員はより効率的に、やる気をもって働けるようになる。整備されたシステムと好感が持てる従業員によって、より良い顧客経験を提供することもできるだろう。
サービスと技術を社内全体で統合するには、強い権限のある者が旗振り役をする必要がある。COOという役職を追加することは、顧客経験を向上させたいと願う前向きな企業にとって大きな利点となるだろう。