仕事をしたがらない問題職員 リーダーにできることは?

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私が大勢の前で話す際に好きな時間の一つが、話し終えた後のQ&Aだ。何が一番聴衆の心に響いたか、どこをもう少し明確に話せば良かったか、次回もっとよい発表をするにはどうしたらよいかを知ることができるからだ。

先週私は、どうすれば優秀な人材から一流の人材へと成長できるか、というテーマで講演した。その際、聴衆から受けたのはこんな質問だ。「仕事をしたがらない人材に責任を持たせるにはどうしたらよいでしょうか?」

私の答えはこうだ。人に何かをさせることはできない。あなたにできるのは、相手の選択を最適化するための環境を整えることだ。その方法を、以下に紹介しよう。

期待値を設定する

あなたやチーム、会社にとって、成功が何を意味するかを明確にしよう。もしあなたがこれを分かっていないのであれば、他の誰かが分かっていると期待してはいけない。明確になっていない場合は、上司に相談する機会として利用しよう(次項参照)。

明確化は積極的関与につながり、何においても成功に必須の要素だ。曖昧なままだと、個人の解釈に任されることで混乱が生じ、無駄な努力や時間を生んでしまう。

さらに、明確化することで、各人に責任を持たせることができる。曖昧なものに対して責任を負うことはできないからだ。

問題の人物だけでなく、チーム全体が「自分が何を期待されているか」と「なぜ各自の働きが(A)組織(B)チーム(C)互い─の3つにとって大切なのか」を理解しているどうかを、口頭で確認しよう。

心に留めておくべきなのは、リーダーとしての役割は自分で全ての仕事をすることではなく、部下が能力を最大限発揮できるよう条件を整えることにある、という点だ。

上司に相談する

もしそれでも問題職員がやる気を出してくれないのであれば、1段階上の人物(例えばあなたの上司)に対し、自分に何を期待しているか聞こう。具体的には、次の2点を確認する。

1. 上司がどれほど自分を信頼しているか。
2. 自分がチームメンバーに対してどれだけの権限を持っているか。

上司があなたを信頼して仕事を任せているほど、権限も大きくなり、問題あるチームメンバーへの対応の幅も広がる。
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編集=遠藤宗生

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