Nokia 8はスリムで軽量だが、性能はとてもパワフルだ。一枚のアルミから削り出されたユニボディはエレガントな仕上がりとなっており、角や背面はスムーズな感触で非常に持ちやすい。
ベゼルサイズが他社のフラッグシップモデルと比べて大きいことを指摘する批評家も一部にはいるが、iPhone 7 Plusと同等の大きさであり、突出して大きい訳ではない。価格は599ユーロ(約7万8000円)からとiPhoneよりも手頃だ。
最大の特徴は、“bothie”撮影が可能なことだ。この機能はスマホ業界の勢力地図を変える可能性を秘めていると言って過言ではない。 “bothie”撮影は、正式名称を「デュアルサイト機能」と言い、ユーザーは前面と背面のカメラで同時に撮影することができる。自分だけを撮るセルフィーに対して、被写体も同時に撮影することができることから、bothieと名付けられた。
これまでにもサムスンやLGが似た機能を提供していたが、Nokia 8は格段にシンプルな操作性を実現した。
カメラを起動すると、前面カメラ、背面カメラ、両方のカメラを選択するメニューが表示される。両方のカメラを選択した場合、自分がディスプレイに映るように前面カメラを構えれば、背面カメラのフレームも自動的にセットされる。カメラにはZeissの光学技術が採用されており、レンズやセンサーだけでなく、bothie撮影を行うためのソフトウェアにも、Zeissのテクノロジーが活かされている。
ライブ動画配信には最適
筆者は実際にbothie撮影を体験してみたが操作は単純で、カメラアングルを調整する必要はほとんどなかった。デュアルサイトでの動画撮影も素晴らしい。ただ、撮影をしながら自分自身と被写体の両方に目を配ることに慣れるまで多少時間を要したが。
Nokia 8の利点は、カメラアプリからシームレスにフェイスブックのライブ動画やユーチューブに動画を配信できることだ。これは特にユーチューバーなどのライブ動画配信を行うユーザーには非常に魅力的な機能で、人気を博す可能性が高い。
bothie撮影は、様々なシーンで利用できる。例えば、競馬場で応援する馬が一位でゴールする瞬間を撮影しつつ、興奮した自分の顔を撮影したり、プロポーズする瞬間のフィアンセと自分の表情、海辺での波とビーチなどを同時に写すのは楽しいものになるだろう。
今後、フェイスブック等にこれまでになくスタイリッシュで胸を打つ動画が多数投稿されることになるかもしれない。価格が手頃でデザインも洗練されている上に、楽しくて操作が簡単なbothie撮影機能が搭載されたNokia 8は、幅広いファン層を獲得するだろう。発売開始は、9月初旬になる予定だ。