サンドバーグは今年7月末にフェイスブックの株式59万株(約1億ドル相当)を慈善団体に寄付した。寄付先はフィデリティ・インベストメンツのチャリティ部門に設置された彼女と亡き夫の名を冠した基金「シェリル・サンドバーグ・アンド・デイブ・ゴールドバーグ家族基金」であることが、届け出書類から分かった。
サンドバーグが前回寄付を行ったのは昨年の11月だった。当時、彼女は88万株(当時の価値で1億1000万ドル)のフェイスブック株を同基金に寄付していた。フィデリティ傘下の基金はDAF(Donor Advised Fund)という仕組みをとっており、寄付金は資金提供者(ドナー)の意向を考慮しつつ、適切な支援先に分配される。また、ドナーは税制優遇措置も受けられる。サンドバーグは現在、フェイスブックの発行株式の0.13%を保有している。
ニュースメディアRecodeの報道によると今回の1億ドルの大半はサンドバーグが設立した2つの団体、「LeanIn.org」と「OptionB.org」に注がれるという。また、子供の貧困撲滅を目指す団体にも資金が割り当てられる。
サンドバーグは2013年にベストセラーとなった著書「リーン・イン」を発表したのち、女性の地位向上を目指すNPO団体のLeanIn.orgを設立した。その後、夫に先立たれた悲しみをもとに2冊目の著書「OPTION B(オプションB)」をアダム・グラントとの共作で2017年の4月に発売した。
サンドバーグは2008年にフェイスブックのCOOに就任し、同社の収益に劇的な改善をもたらした。フォーブスは今回の寄付を行った後のサンドバーグの資産額を15億ドル(1636億円)と推定している。
フェイスブックに入社する以前はグーグルの社員だったサンドバーグは、1995年にハーバード大学でMBAを取得後、クリントン政権で財務長官を務めたローレンス・サマーズの首席補佐官を務めた。
サンドバーグは生涯にわたり資産の半分以上を、慈善活動に寄付することを誓うギビング・プレッジ(The Giving Pledge)活動の賛同者としても知られる。ギビング・プレッジは2010年にビル・ゲイツ夫妻とウォーレン・バフェットらが立ち上げた。