生産ラインにAI予知が導入される未来
IoT末端となるエンドポイントに人工知能技術を実装する「e-AI」を注力技術のひとつと位置づけているルネサスエレクトロニクスは、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサにAIを搭載するソリューション開発に取り組んでいる。
今年4月には、AIによって良否判定や予知保全などを行う模擬生産ラインをプライベートイベントで展示。模擬生産ラインでは、小型のベルトコンベヤーに自動車の模型を流してレーザー距離計で模型の高さ方向の寸法を計測し、計測結果に基づいて良品と不良品を判定しており、その良否判定にe-AIを活用していた。
一方、安川電機は日本IBMと組み、「安川故障予測システム」を自動車工場向けに普及させることを目指している。同システムはロボットに内蔵しているセンサーなどを通じて、モーターの連続稼働時間や電流の波形、室温といったデータを収集し、クラウドや専用サーバーでどのような状態のときにロボットのモーターなどが壊れるのかを分析・学習するという。
生産設備が停止すると1分当たり数百万円の損失が発生するとされている自動車工場において、「予知保全」が果たす役割の大きさは想像に難くない。
生産ラインや設備の故障や異常を高精度に予測して、「予知保全」の実現を目指している製造業の最前線。その動きが加速化して製造業のコストが極小化すれば、消費者にも価格の低下という恩恵がもたらされるはずだ。
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