パンドラは2012年にオーストラリアとニュージーランド向けのサービスを立ち上げ、地域に特化したアプリと番組の提供を行ってきた。当時のパンドラはスポティファイと並ぶストリーミング業界の王者として知られ、事業も上り調子だった。しかし、その後の数年間でスポティファイが急成長を遂げ、先日は有料会員数が6000万人を突破したと伝えられる一方で、パンドラは非常に厳しい状況に直面している。
2国でのサービス終了により、パンドラは米国のみで運営するストリーミングサービスとなった。競合企業らが世界を対象にサービスを行う一方で、「ラジオ型」のサービスに分類されるパンドラは、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)の規制対象となるため、サービス地域の拡大は難しい。
パンドラは今年6月に共同創業者でCEOのティム・ウェスターグレンが辞職。社長のマイク・ハーリングやCMOのニック・バートルも相次いで職を離れ、組織の刷新を図っていた。
パンドラは2016年に13億9000万ドル(約1530億円)の売上を生み、前年比19%の成長となったが、損失額は通年で3億4300万ドルに達していた。さらに、8月1日発表の同社の第2四半期決算で、パンドラは今年前半で既に4億700万ドル(約449億円)の損失を生み出した事が明らかになった。
パンドラの月間アクティブユーザー数は現在、7600万人とされている。