変わる米国の家族、専業主夫は2013年時点で200万人に

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男性の「エゴ」に問題は?

子供の世話をするという役割は、父親たちの「男性としての自尊心」に致命的な打撃とはならないのだろうか。おむつを替えたり、取締役会の会議に出席する妻が急いで出かける前に搾乳した母乳を哺乳瓶に入れたりすることは、男性のテストステロン(男性ホルモン)のレベルを下げたりはしないのだろうか?

もし家庭でこうした役割を担う男性がそう感じているなら、それは妻やパートナー、専門家に相談すべきことだ。そうした感情は、夫婦(パートナーとの)関係をむしばむ原因になり得るからだ。

さらに、前述のピュー・リサーチ・センターの調査結果は、「性別による役割分担がなくなりつつある一方で、専業主夫・主婦それぞれに対する一般的な見方は変わらない」と指摘している。

同調査では、自宅での子供の世話は母親がすべきと回答した人は51%に上ったものの、父親が世話をした方がいいと答えた人はわずか8%だった。また、全米専業主夫ネットワークによれば、自分が親として子供の面倒を「非常によく見ている」と答えた母親が51%であるのに対し、同様に自己評価する男性は39%だという。

変化する「家族」

1974年の国勢調査によると、子供がいる世帯の84%は父親と母親が結婚していた。1974 ~2015年の調査では、母親が一人で働き子育てをしている世帯の割合が14.6%から26.4%へとほぼ倍増。父親が一人で子育てする世帯もまた、1.4%から 8.1 %に増えた。そして、現在では子供のいる女性のおよそ70%が仕事を持っている。

これらは、米社会の大きな変化を示すものであり、今後も続いていく傾向だと見られている。米国のフェミニズム運動の第一人者であるグロリア・スタイネムは、「男性が女性と同じように子供の世話をし、女性が家庭の外でも男性と同様の活動ができるようになってはじめて、本当の変化が始まる」と述べている。

編集=木内涼子

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