クアルトリクスのライアン・スミスCEOによると、Qualtrics iQは取得したローデータから改善施策につながるインサイトをわずか数クリックで導き出すことができるという。
「これまでは、データから10個の課題を見つけることができたとしても、それぞれの課題がどのように関連しているか突き止めることは困難だった」とスミスは話す。
データサイエンティストの代わりになることを謳い文句にするソフトウェアは他にも存在するが、Qualtrics iQの機能は頭一つ抜きんでている。クアルトリクスは、これまで15年間に渡ってオンラインアンケートツールを提供しており、蓄積した膨大なデータを使って精度の高い予測分析ができることが最大の強みだ。
IBMのワトソンをはじめ、他のBIツールや機械学習ツールと比べ、Qualtrics iQは誰でも簡単に使用できるのが特徴だ。「Qualtrics iQはシンプルで、価値のある分析結果を提供することができる」とスミスは言う。
Qualtrics iQの主な機能は、テキスト分析、統計分析、キードライバー抽出の3つだ。テキスト分析機能は、ビジターコメントなどの膨大なテキストデータからパターンや感情を分析することができる。統計分析機能は、データに応じて最適な統計解析モデルを選択してくれる。キードライバー抽出機能は、例えば航空会社がリピート顧客のロイヤリティを向上したいときに、それを実現するためのキードライバーを抽出してくれる。
「クラウドのメッカ」になるユタ州
ユタ州には、クアルトリクスを含めてクラウドコンピューティング分野のユニコーンが複数あり、創業メンバーらは皆仲が良い。彼らは定期的に会ってユタ州をクラウドコンピューティングのメッカにすることを話し合っているという。クアルトリクスは、フォーブスが発表したクラウド分野を代表する100社リスト「クラウド100(Cloud 100)」の6位にランクインしている。
今年の売上高は、前年比50%増の2億5000万ドルを超える見込みだ。スミスによると、Qualtrics iQのリリースから2日で1000社以上からトライアルの申し込みがあったという。3つの機能はそれぞれオプションでの提供となっているが、これまでに200社が3つ全てをテストしているという。
クアルトリクスは、数か月以内でのIPOが噂されている。同社は現在、アドビやセールスフォースなどのプラットフォームと統合し、データ分析ができるようにすることに取り組んでいる。Qualtrics iQに関しては、予測ツールを追加して顧客が幅広い分野で従来よりも低コストで予測分析が行えるようにする方針だ。「顧客が寝ている間も、Qualtrics iQが仕事をしているようにすることが目標だ」とスミスは話す。