Clutterの過去2回の調達ラウンドはセコイアキャピタルが主導しており、セコイアは今回のラウンドでも出資した。さらにグーグルベンチャーズや今年から始動した不動産特化型VCのFifth Wallも参加している。
Clutterは狭い家に荷物が多すぎるという、人々の昔ながらの悩みに新しいソリューションを提供する。従来の個人向け倉庫サービスとは違い、Clutterは預けたい荷物を自宅まで取りに来てくれる。スタッフは荷物をデジタルのカタログに記録し、倉庫に運んで保管する。預けた荷物を自宅に戻したい場合は、サイトにログインして申請を出せば48時間後には家に届けられる仕組みだ。
Clutterのマーケティング担当者は「利用者は面倒な作業をやる必要は全くなく、全てをClutterに任せられる」とサービスの特徴を説明する。ユーザー数は既に1万人を超えており、ロサンゼルスやサンフランシスコ、サンディエゴやオレンジカウンティ、ニューヨークやニュージャージーといった地域を対象としている。
価格は地域によって異なるが、マンハッタンの場合は1アイテムを12ヶ月保管した場合、月額利用料は7ドル。アパート一部屋分の荷物を預ける場合の月額費用は640ドルになる。Clutterはピックアップや梱包、配達に関しても規定の料金を徴収している。
Clutterは今回の調達資金をもとに、サービス対象地域を今後5年で米国の全ての大都市に広げ、海外への進出も目論んでいる。アトミコのパートナーを務めるヒロ・タムラは「都市部への人口集中やスペースの欠如は世界的な問題になっている。スペースの有効活用は非常に重要な課題だ」と述べた。
創業3年のClutterが目指すのは単なる倉庫サービスではない。Clutterは都市から離れた場所にある安価な賃貸倉庫を有効活用し、長いスパンで考えると、通常より大幅に安い価格で土地を手に入れることになる。また、都市部で倉庫として利用されていたスペースを別の目的に解放する効果も見込める。
「我々は単に家のスペースを有効活用するだけではなく、今後の10〜30年間を見据え、都市の在り方を変えていこうとしている。新たに生まれたスペースに適正な価格の住宅を建てたり、公園を整備することも可能だ」とClutterの共同創業者でCMOのAri Mirは述べた。