キャリア・教育

2017.06.23 12:00

成功者レイ・クロックは本当にヒーローなのか

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「英雄か。怪物か。」

米ハンバーガーチェーン「マクドナルド」の創業者レイ・クロックを描き、7月29日(土)に公開される映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』のキャッチコピーだ。そのポスターの中央には、主役を演じるマイケル・キートンが野心的な表情を浮かべている。

レイ・クロックといえば、52歳のときに出会ったハンバーガーレストランを世界最大のチェーンに創り上げた男。紙コップのセールスマン、ピアノ弾きのアルバイト、ミキサーのセールスから一転、10億ドル規模の巨大企業を築いたアメリカン・ドリームの象徴であり、ファーストリテイリングの柳井正氏やソフトバンクの孫正義氏が影響を受けた人物としても知られている。柳井氏、孫氏ともに、愛読書にレイ・クロックの自伝を挙げている。

「Be daring, Be first, Be different(勇気を持ち、誰よりも最初に、人と違うことをする)」

これは柳井氏がビジネスの手本としているクロックの言葉だ。このほかにも、いまなおカリスマ経営者たちが憧れる“創業者の祖”の言葉には、成功の哲学が詰まっている。

クロックが競争相手の現状を知るため、深夜にライバル店のゴミ箱をあさり、仕入や消費状況を調べたことは有名なエピソードだ。その行動は、「幸運は汗からの配当だ」という彼の経営哲学に一致する。確かに他の人たちができぬ血のにじむような努力を重ねた結果、成功をたぐりよせることができた、これも真実だろう。

しかし、彼はこんな言葉も残している。「大企業の上に立つ者には、背負わなければならない十字架がある。そこに上りつくまでに、多くの友人を失うことになる」──マキャヴェッリの『君主論』の一節、「君主は悪徳であっても行使する能力を身につけ、これを臨機応変に行使する必要がある」「残酷な手段によってでも安定的な統治を成功させることが重視されるべきだ」に通じる言葉だ。

実際、レイ・クロックがあくなき競争心や強欲的なまでの野心を持ち、成功をつかんでいく過程において、ときに人を裏切り、契約破棄をも辞さない冷血漢であったという側面は隠せない。

レイ・クロックに会う前から、革新的なスタイルで行列のドライブイン・ハンバーガーレストランを経営していたマクドナルド兄弟の目に、手段を選ばずのし上がっていく男はどう映っていたのだろうか。

改めて問いたい。レイ・クロックは、世界有数の巨大企業を築き上げた「英雄」なのか、それとも──?


【特別試写イベントにご招待】

Forbes JAPANはKADOKAWAと共同で、映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の特別試写イベントを開催する。

当日は作品の上映に加え、コモンズ投信の会長でシブサワ・アンド・カンパニー代表取締役CEOの渋澤健氏、ウーバー・ジャパン執行役員社長の髙橋正巳氏を迎え、起業や経営、成功の秘訣などをテーマにしたトークセッションも行う予定だ。

この試写イベントに抽選でユーザー100名様をご招待。応募締め切りは7月13日(木)。ご希望の方は、下記のフォームよりお早目の登録を。

Forbes JAPAN×KADOKAWA
映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』特別試写会

—開催日時:7月27日(木)
18:30 開場
19:00 映画上映
21:00 トークショー開始
21:45 終了

—登壇者:渋澤健(コモンズ投信会長/シブサワ・アンド・カンパニー代表取締役CEO)
髙橋正巳(ウーバー・ジャパン執行役員社長)

—会場:東京都千代田区(*当選者にのみご案内します)

※試写会の応募は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。

編集=谷本有香

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