この71万台という数は、2012年のピーク時と比べると30%ほど少ない。だが、減少傾向にはどうやら歯止めがかかったと言えるようだ。世界的な高級車ブランドの人気回復が理由だ。そして、中国には年産3000万台を超える生産能力がある。
BMWは5月31日、中国に設立した合弁会社が当局から輸出許可を与えたと発表した。ボルボやキャデラック、ビュイックとともに、今後BMWも中国からの高級車の輸出台数を増やしていくことになる。欧米の自動車メーカーの中国事業は、次のような状況となっている。
ボルボ
ボルボがセダン「S60」の米国向けの輸出を開始したのは、2015年。そして、同社は今年5月、高級セダン「S90」のベルギーに向けの輸送を開始した。今後は国内外の市場向けに生産する全ての「S90」を、黒竜江省にある大慶工場で手掛ける予定だ。ボルボは中国の吉利汽車(Geely)が2010年、フォードから18億ドル(約2000億円)で買収している。
GM(ビュイック、キャデラック)
中国にとっては米国が現在、イラン、インド、ベトナムに次いで4番目に重要な輸出市場となっていると聞けば、米国の消費者の大半はきっと驚くことだろう。米国内の道路を走る中国車が増える兆しは、見えていないのだから。
だが、米国で販売されているビュイックのコンパクトSUV「エンビジョン」は、中国で生産されている。キャデラック「CT6」ハイブリッドも中国製だ。さらに、「CT6」のプラグインハイブリッドはエンビジョンと同様に、中国でのみで生産されている。