BMW
BMWはこれまでのところ、中国からの輸出に関する具体的な計画を明らかにしていない。だが、業界関係者によれば、BMWは中国を世界的な輸出拠点とすることの実現可能性について、少なくとも5年前から調査中だという。
小規模の複数の市場にいくつもの工場を設置するよりも、中国のみで大量生産する方が、採算性を向上させることが可能だと考えられる。また、生産・物流コストを削減することができれば、輸入税その他の費用を相殺してなお余るほどの節約が可能だと考えられる。
BMWは今月初め、中国工場の生産能力を引き上げ、年産45万台にすると発表した。昨年のBMWの米国での販売台数は、31万3000台だった。中国での販売台数は輸入車を含め、BMWグループ全体(BMWとMINI、ロールスロイス)で合計51万6000台に上っている。
次に続くのは?
メルセデスやアウディが、中国事業についてBMWと同様に考えていたとしても不思議ではない。ただ、アウディはこのところ、ディーラーとの間に抱える問題や、長年にわたって人気を博してきた「A6」の需要低迷と過剰在庫の発生という状況に追い込まれている。中国でのアウディの売上高は昨年、3%増にとどまった。
また、フォードは2019年までに、中国で高級車「リンカーン」のSUVの生産を開始するとの計画を発表している。米現政権が国境税を導入しないとすれば、同社が中国で米国向けに生産を行い、輸出しようとする考えを押しとどめるものはないだろう。ビュイックやキャデラックは、すでにそうして輸出を行っている。
一方、中国ブランドの今年1~4月の輸出台数は、前年同期比29%増の24万5000台に達した。品質が工場した中国車は、ロシアやブラジルなどの消費者に受け入れられ始めている。