これによりプライム会員は、有料チャンネルの高額なセット料金や長期契約をすることなく、プライム会員費に低額の月額料金をプラスするだけで好みのチャンネルや番組を視聴することが可能となる。同様のサービスは既に米国内で展開されている。
米国では有料テレビ放送局が提供する既存のパッケージに高額な料金を支払う代わりに、好みの有料チャンネルを個別に追加選択できるインターネット経由のストリーミングサービスの人気が高まっており、ケーブルテレビからネット配信へと切り替える「コード・カッティング」が加速している。
一方でケーブルテレビからネット配信への切り替えが米国ほど進んでいない英国では、人口(5歳以上)の72%はテレビ番組をライブ視聴している。アマゾン・プライムビデオとネットフリックスの加入者を合わせても、英国の動画視聴におけるシェアは、わずか5%にしかならない。
アマゾンは既に、オンデマンド動画配信サービスをプライム会員向けに無料で提供しているが、さらに格安のチャンネル料金を設定することで、テレビをライブ視聴している人向けのサービスを拡充。これにより、さらなるユーザー獲得、既存会員による利用を着実に拡大していこうとするアマゾンの戦略は、理にかなったものといえる。
また、デジタル市場の調査会社eマーケター(eMarketer)によると、近年のストリーミングサービス市場においては、スタンドアロン型の動画配信サービスとファイア(Fire)タブレットが好調なアマゾン・プライムの成長は他社と比べても非常に急速なペースで進んでいるという。オリジナルコンテンツの強化により、ライバルであるネットフリックスへの攻勢をかけており、新たに「アマゾン・チャネルズ」を提供することで、特に英国でのユーザー数の拡大を目論んでいる。