ビジネス

2017.05.30

Amazon Channels、英独でTV番組配信サービスを開始

Eric Broder Van Dyke / shutterstock.com


動画配信のワンストップ・サービス目指す

ネットフリックスは高品質のコンテンツを提供するために、映画の配信権利の取得やオリジナル番組の制作に力を入れている。また、自社のプラットフォームでスポーツ番組の生中継はせず、オンデマンド動画配信に注力すると明言している。一方で、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディア・プラットフォームは、スポーツイベントのライブ配信によって集客力を高め、スポーツを基盤としたソーシャル・エクスペリエンスの提供を目指している。

だが、アマゾンはネットフリックスとソーシャルメディアのそれぞれが推進する戦略の双方を取り入れようとしているようだ。より幅広いサービスを提供しようという同社の戦略は、多くのユーザーにとって魅力的なものとなるだろう。

さらに、同社の提供する音声アシスタント端末「エコー(Echo)」やファイアといったハードウェアデバイスが、ストリーミング市場でのシェア拡大から大きな利益を得る可能性もある。今年6月、同社は人気のエコーにビデオ表示画面を搭載した新モデル、「エコー・ショー(Echo Show)」を発表した。画面を内蔵したことで、アマゾンやユーチューブのコンテンツを直接ダウンロードして楽しめるほか、ビデオ通話にも利用できる。

同社はまた、衛星テレビの米ディッシュ・ネットワークが持つ周波数帯を利用した無線サービスの導入を検討しているという。両社の提携が実現すれば、干渉のない周波数帯を使った高品質かつ高速のストリーミングサービスを提供できるようになる。

自社のストリーミングサービスでテレビ放送が視聴可能なサービスを開始することは、アマゾンにとって賢明な成長戦略といえる。視聴者はテレビ番組とライブストリーミング、オンデマンドビデオが揃ったワンストップ・サービスの中から、好みのコンテンツを選択することができるようになるのだ。アマゾンのユーザー数拡大にもつながるはずだ。

編集=木内涼子

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