テクノロジー

2017.05.29 12:00

シリコンバレーの名門VCら出資の「大麻検査キット」が発売へ

Hound Labsの大麻検査キット(Credit: Hound Labs)

Hound Labsの大麻検査キット(Credit: Hound Labs)

Hound Labs創業者のMike Lynnは、ベンチャーキャピタリストだった2014年にサイクリング中、猛スピードで通り過ぎた車から大麻の強い香りがしたことを鮮明に覚えている。医師免許を持ち、予備警察官でもあるLynnは、病院で治療中の交通事故患者の中に運転中に大麻を吸引していた例が多いことを知った。こうした経験から、Lynnは業界初となる麻薬検知器の開発を思い立ったという。
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Lynnは、当時勤めていたAdams Street Partnersを退職してHound Labsを創業した。それから3年が経った今年、同社はシリコンバレーの名門VCであるベンチマークキャピタルが主導したシリーズBラウンドで810万ドル(約9億円)を調達したことを発表した。

今回の資金調達を機に、フォーブスのMidas List(最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング)の常連でスナップの初期投資家としても知られるMitch Laskyと、テレビプロデューサーでHound Labsの初期投資家であるDick Wolfが取締役に就任する。

Hound Labsのフルタイムの従業員数は5名に過ぎない。同社は、調達した資金を使って従業員の増員を図る予定だ。現在、Hound Labsはサンフランシスコ総合病院と提携して、大麻を吸引したドライバーを対象に、同社が開発した検知器「Hound」のテストを実施している。また、司法当局と合同で機器導入に当たっての調査も行っている。
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Lynnは、まずは司法当局に製品を導入することを目指しているが、ゆくゆくは企業向けに機器を販売したい考えだ。米国では多くの州が大麻の合法化に動く中、企業は従業員に薬物テストを科しており、実施されるテストの件数は毎年4000万件にも上る。薬物テストの代わりにHoundを導入すれば、企業の負担は大幅に減少すると同時に、従業員に対する薬物使用ポリシーを緩めることもできる。

「過去2-3時間の大麻使用」のみを検知する

従来薬物テストは、過去数日以内の大麻吸引を判別することができるが、これでは就業時間外での使用も引っかかってしまう可能性がある。

「従業員が週末に行ったことまでテストするのはおかしい。ルールを変えるべきだ」とLynnは言う。Houndは体内の麻薬物質を検知し、過去2-3時間の大麻吸引を判別できる。Lynnによると、精度は酒気検知器の100万倍も高いという。
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編集=上田裕資

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