Lynnは、当時勤めていたAdams Street Partnersを退職してHound Labsを創業した。それから3年が経った今年、同社はシリコンバレーの名門VCであるベンチマークキャピタルが主導したシリーズBラウンドで810万ドル(約9億円)を調達したことを発表した。
今回の資金調達を機に、フォーブスのMidas List(最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング)の常連でスナップの初期投資家としても知られるMitch Laskyと、テレビプロデューサーでHound Labsの初期投資家であるDick Wolfが取締役に就任する。
Hound Labsのフルタイムの従業員数は5名に過ぎない。同社は、調達した資金を使って従業員の増員を図る予定だ。現在、Hound Labsはサンフランシスコ総合病院と提携して、大麻を吸引したドライバーを対象に、同社が開発した検知器「Hound」のテストを実施している。また、司法当局と合同で機器導入に当たっての調査も行っている。
Lynnは、まずは司法当局に製品を導入することを目指しているが、ゆくゆくは企業向けに機器を販売したい考えだ。米国では多くの州が大麻の合法化に動く中、企業は従業員に薬物テストを科しており、実施されるテストの件数は毎年4000万件にも上る。薬物テストの代わりにHoundを導入すれば、企業の負担は大幅に減少すると同時に、従業員に対する薬物使用ポリシーを緩めることもできる。
「過去2-3時間の大麻使用」のみを検知する
従来薬物テストは、過去数日以内の大麻吸引を判別することができるが、これでは就業時間外での使用も引っかかってしまう可能性がある。
「従業員が週末に行ったことまでテストするのはおかしい。ルールを変えるべきだ」とLynnは言う。Houndは体内の麻薬物質を検知し、過去2-3時間の大麻吸引を判別できる。Lynnによると、精度は酒気検知器の100万倍も高いという。