化粧品からファッション、音楽、食品、金融とさまざまな分野で活躍するこれらの女性起業家・企業幹部たち、そしてエンターテイナーたちが保有する資産総額は、推計615億ドル(約6兆8240億円)に上る。リスト作成にあたって調査対象とした女性は、保有する資産を実質的に自身の力で手に入れた米国の市民権、または永住権の取得者だ。
1位は大手ピザ・チェーン経営者
今年1位となったのは、ピザ・チェーン大手リトル・シーザーズの共同創業者、マリアン・イリッチ。保有資産はおよそ51億ドル(約5659億円)となっている。前回調査から資産を30億ドル増やし、順位を5つ上げた。共同創業者だった夫マイクが今年2月に死去、資産を相続したことが主な理由だ。
イリッチはナショナルホッケーリーグ(NHL)のデトロイト・レッドウィングス、 モーターシティ カジノ ホテルのオーナーでもある。
2位は前回のトップ、建築資材の卸売会社ABCサプライのダイアン・ヘンドリックスだった。保有資産は昨年とほぼ変わらず、およそ49億ドル。
続く3位はテレビ番組の司会者で自身のケーブルテレビ局を持つオプラ・ウィンフリーと、コンビニエンスストア・チェーンの創業者、ジュディ・ラブ。保有資産はいずれも約29億ドルと推計される。5位にはGapの共同創業者、ドリス・フィッシャーが入った。
また、今回のリストに入った富豪のうち、最年少は27歳の歌手テイラー・スウィフト(2億8000万ドル)。最年長はバイオ・ラッド・ラボラトリーズの共同創業者で90歳のアリス・シュワルツだった(9億5000万ドル)。
そのほか、ランク入りしたうちの2人が新たに保有資産10億ドル(約1109億円)以上の「ビリオネア」の仲間入りを果たした。初めてリストに入ったのは、ジュエリー・ブランド「ケンドラ・スコット・デザイン」の創業者で最高経営責任者(CEO)、ケンドラ・スコットのほか4人。60人のうち、15人は米国以外で生まれた人たちだった。
このほか今回の調査では、自力で富を築いた女性たちの多く(23人)がカリフォルニア州在住であることも分かった。次いで、ニューヨークに住む人が多かった(9人)。
以下、ランキングの上位10人を紹介する(かっこ内は主に関与する企業と保有資産の推計総額)。
保有資産ランキング・トップ10
1位: マリアン・イリッチ/ リトル・シーザーズ/ 51億ドル
2位: ダイアン・ヘンドリックス/ ABCサプライ/ 49億ドル
3位: オプラ・ウィンフリー/ OWNケーブル・ネットワーク/ 29億ドル
3位: ジュディ・ラブ/ ラブズ・トラベルストップス&カントリー・ストアズ/ 29億ドル
5位: ドリス・フィッシャー/ Gap/ 27億ドル
6位: ジュディフォークナー/ エピック・システムズ/ 25億ドル
6位: メグ・ホイットマン/ ヒューレット・パッカード/ 25億ドル
8位: ジョネル・ハント/ J.B.ハント・トランスポート・サービシズ/ 24億ドル
9位: イレイン・ウィン/ ウィン・リゾーツ/ 21億ドル
10位: リンダ・レズニック/ザ・ワンダフル・カンパニー/20億ドル
調査方法
保有資産額は主に、対象者それぞれが保有する株式に基づき推計した(2017年4月28日の株価で計算)。経営または所属する企業が非公開の場合、企業価値の推計にあたってはさまざまな分野の専門家の話を聞いたほか、同業で同規模の株式公開会社と比較した。夫と共同で創業し、その後も共同経営している女性については、当該企業の保有資産のうち50%をその女性が保有するものとして計算した。
リストに名前が挙がった全員に推計額について確認を取ろうと試みたが、協力を得られなかった人もいる。