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2017.05.15 12:15

ユニバーサルミュージックが身売り説 中国テンセントが候補

360b / Shutterstock.com

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ユニバーサルミュージックの親会社のヴィヴェンディ(Vivendi)は4月25日、ユニバーサルの企業価値が220億ドルであるとのアナウンスを行った。
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ヴィヴェンディがこのアナウンスを行った意図は不明だが、関係者からは様々な憶測が飛び交っている。ユニバーサルの株式の全部もしくは一部を売却する、もしくはIPOさせて資金調達を行うというものだ。

ヴィヴェンディはユニバーサルの株式の最大15%を売却しようとしているとの見方もある。これを受けてMusic Business Newsは3つの有力買い手候補らを挙げた。

1つ目は中国のアリババとテンセントだ。アリババは今後3年間でエンタメ部門の強化を宣言しており、70億ドルをこの分野に投じると宣言した。アリババの狙いは買収先を完全な支配下に置くことにあり、これはユニバーサル側にあまり喜ばしくない結果を招くかもしれない。
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テンセントも音楽レーベルに出資したい意向を明らかにしており、同社の音楽部門長のAndy Ngは「持ち分が10-30%程度になったとしても、この分野への市出資は魅力的だ」と述べている。

2つ目のカテゴリはアップルやグーグル、アマゾンらだ。なかでもアップルは有力候補に挙げられる。アップル幹部には元ユニバーサルのJimmy Iovineも居る。ただし、ユニバーサルは実のところアップルにとってはさほど大きな貢献をもたらさない。なぜなら、音楽の流通やプロモーションが従来のレコード会社の強みだが、アップルは既に自社でそれを行うことが可能だ。CDを販売する能力はアップルには無いが、彼らがそこに魅力を感じるとも思えない。

3番目のカテゴリに挙げられるのが通信企業や投資グループだ。彼らがシナジーを感じるのは音楽のディストリビューション面になる。通信企業はテクノロジー志向の若い世代にアピールしたいと考えている。一方で彼らは古いレコードビジネスには関心が無い。

投資企業については、かつて英国のテラ・ファーマがEMIを買収した際の成り行きを見ても、音楽レーベルの買収では目覚ましい成果を挙げることが出来なかった。今回のユニバーサルの件に関しても慎重な姿勢を取るだろう。

上記のような流れを踏まえると、最有力候補と言えそうなのは中国のテンセントだ。ただし、先行きは不透明だ。ヴィヴェンディのアナウンスは単なる観測気球との見方も出来る。買い手が居るかどうかを単に見極めたいのかもしれない。さらに言うと、ここには挙がらなかった企業がどこからともなく現れる可能性もある。音楽業界の内情を外部の者がうかがい知ることは難しい。

編集=上田裕資

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