ビル内で地震に遭遇した場合、揺れが続いている間にビルから出ようとするべきではない。揺れが収まったのを確認してから靴をはき、貴重品のみを持ってビルから立ち去ろう。余震の続いている間はビルから離れた場所に居るのがベストだ。揺れの最中にビルから遠ざかろうとするのは非常に危険な行為だ。
日本で行われた調査の結果、地震の最中に走って逃げた場合、怪我をする確率が非常に高まることが判明している。怪我の原因の大半は上から降ってくるガレキだが、ここでとれる唯一の対抗手段は頭を布などで覆うことだ。
揺れを感じた時点ではその地震がどの程度の大きさなのか、どの位の時間続くのかは分からない。慌てて逃げようとすると転んだり、ガレキで怪我をする確率が高まる。無理に逃げるより、どこかに身を隠すほうがはるかに安全であることが分かっている。
地震の揺れは長くは続かない。予測不可能な揺れと、落下物に襲われる中でどんなに速くフロアや階段を移動しても逃げ切れる保証はない。結局のところ、揺れが収まるまでにビルから出ることは不可能だ。
さらに、外に出ればガレキが頭上から降ってくる。外に出るだけではむしろ危険は増すのだ。建物の壊れた軒先部分やガラスやレンガ等が降り注ぎ、一瞬で命を落とす場合もある。
万が一、ビル自体が倒壊した場合でもバスタブのような強固なスペースに身を潜めていれば、そこで救助を待つことができる。無理に立ち去るよりも、安全な場所を見つけるほうが懸命なのだ。
また、米国や日本のビルであれば安全な場所を探してうろうろするよりも、その場にしゃがみ込んでいたほうが安全だ。なぜなら米国や日本の建築基準で建てられたビルならばの、地震の揺れで倒壊するケースは滅多に無いからだ。