面接官:ではアンディーさん、あなたの最大の弱みを教えてください。
アンディー:私は昔、自分がもっと改善すべきだと思うことが多く、ストレスを感じていました。大学を卒業後、最初に就いた仕事では表計算ソフトのスキルを磨かなければと感じました。そこでエクセルの授業を受けてさまざまなことを学びましたが、時間がたつと本当はエクセルのことなどどうでも良かったことに気づきました。
その後、転職するたびにクリエーティブな仕事に近づいていきました。表計算ソフトのスキルが足りないという当初の懸念は、自分の力を探求するのが本当は怖かっただけだったのです。
今は、自分は弱みがある人間だとは思っていません。自分が得意になれないことは多くありますが、それでいいのです。こうしたことを上達させようとすることは、悪い時間の使い方だと思います。私の仕事は自分の好きなこと、つまりアートディレションやデザインなど、私がすでに得意なことを究めることです。
(回答はここまで)
ここではアンディーが「弱み」の質問に新鮮な切り口で回答し、面接官を考えさせることに成功している。これこそ面接での最高の展開だ。
もし面接官がここできちんと考えていなければ、面接官は他のことに気を取られてすっかり上の空だと思って間違いない。面接後2分もすればあなたのことは忘れているだろう。
アンディーは、弱みという概念自体に疑問を投げ掛けることで会話のレベルを一段階引き上げている。「私の弱みは仕事に対して真面目過ぎることです!」などと答えて、次から次へと現れる従順な求職者の仲間入りはしていない。
面接官はアンディーの回答を気に入るだろうか? 一方のアンディーは、面接官に好かれるのか嫌われるのかは、まったく気にしていない。
彼は自分のブランドを気に入ってくれる人だけと働きたいと思っている。彼が仕事に費やす時間は、自分のことを理解しない人、つまり自分に値しない人たちと共に過ごすにはあまりにも多過ぎる。
あなたも同じく、仕事に多くの時間を費やしている。ならば、自分を理解してくれる人と共に働くべきではないだろうか?