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“何を得るにしても、悟りを得よ。”

(Photo by Chesnot/Getty Images)

フランスで4月23日に実施され、5月7日に決戦投票が行われることになった大統領選は、第2次世界大戦後の欧州に最も深刻な危機をもたらしていた可能性があった。結果によっては、欧州だけでなく米国にも、多大な損害がもたらされていたかもしれない。

決戦投票に進むことになった候補の一人、父親が結成した極右政党「国民戦線」の党首の座を引き継いだマリーヌ・ルペンは、外国人嫌いで反ユダヤ主義、反自由市場で超保護主義だ。さらにはウラジーミル・プーチン露大統領寄りの過激な国家主義者でもある。フランスの欧州連合(EU)からの離脱や通貨ユーロの廃止を訴え、米国にも背を向けると同時に、ロシアとの関係強化を目指す。

ルペンの政治は、笑顔に隠されたファシズムに基づいている。深刻な移民危機やイスラム過激派による国内でのテロ攻撃の脅威など、国民が自国の直面する問題に対して抱いて当然の懸念を、巧みに利用してきた。

また、1990年代初頭から低成長が続き、若年層の失業率が25%という最悪の水準にある自国の経済情勢も、政治活動に利用してきた。だが、ルペンの反自由市場主義の政策が導入されれば、結果はさらに悲惨なものになるだろう。

EU離脱の影響は「壊滅的」

仮にフランスがEUから離脱すれば、先に離脱を決めた英国とは異なり、EUには壊滅的な影響がもたらされるだろう。つまりこれは、EUには改革が不可欠であることを意味する。特に、経済成長を妨げている過剰な規制と、加盟各国の同意を欠いたまま「政治的な」統合を目指す試みについては、改革を進めなければならない。どのような欠点があろうと、EUは前世紀に起き、西洋文明を破壊しかけた恐ろしい世界大戦を二度と繰り返さないための欧州の努力を象徴するものなのだ。

EUのどの加盟国の市民も、EUが採択・発効し、施行される法令が自国に及ぼす影響に不満を抱いている。さらに、移民問題に対するEUの手ぬるい対応(英国のEU離脱の引き金となった重大な問題)にも、ますます懸念を強めている。だが、これらは第2次世界大戦の原因となった決定的な対立を再び引き起こすようなものではなく、対処可能な問題だ。

編集=木内涼子

 

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