動力は太陽光で、光の98%が薄いグラフェンの層の下のソーラーパネルに届くようになっている。ユーチューブに公開された動画「Solar-Powered, Ultra-Sensitive Robot Skin」を見れば、従来のロボットハンドとの違いは一目瞭然だ。
科学誌「Advanced Functional Materials 」で発表されたDahiyaの研究結果は今後、より柔らかい触り心地のロボットやタッチスクリーン向けの感度の高いセンサーの開発に役立つが、それ以外にも活用の道があるという。
透明なグラフェンの層は布地にも編み込むことができるため「ヨガパンツに編み込めば汗を感知することも可能だ」とDahiyaは言う。電源が内蔵されているため、医療機器にも応用できる。電気の無い環境でも太陽光を用い血糖モニターを作動させることも可能だ。
ロボットハンドの素材のシリコンとグラフェンは環境に優しく、比較的安価でもある。Dahiyaは現在、3Dプリンターを用いこの膜を利用した義手を開発中だ。製作に必要な部品のコストは約350ドルと、先進的な電池式の義手と比べてはるかに安い。
電源内蔵の義肢があれば、予備の電池を持たずに登山を楽しんだりも出来る。また、タッチセンサー式のグラフェンの膜でロボットを覆えば、物を拾ったり下ろしたりするという動作がより簡単になる。Dahiyaのロボットは今後、さらに大きな注目を集めそうだ。