MightyTVはティンダーのような仕組みで利用者が新たな番組や映画に出会うことを支援する。CrunchBaseの情報によるとMightyTVは2016年6月の創業で、これまで2度の資金調達により400万ドルを調達している。同社はメディアの注目度も高く、将来有望な企業に見えるが、スポティファイから提示された条件がよほど良かったらしく(金額は明かされていない)、買収に応じたようだ。
MightyTVは既にサービスを停止しており、同社CEOのBrian Adamsは即座にスポティファイの上級役員に加わった。声明でAdamsは「これまでの広告やリコメンデーションに関する知識をスポティファイの広告プロダクトに役立てていきたい」と述べた。
今回の動きはスポティファイにとって動画への取り組みが、いかに重要であるかを示唆している。動画はスポティファイの長い歴史の中で、唯一取り組みが遅れていた分野だ。スポティファイがテレビや映画の配信サービスになることは想像しにくいが、世界最大のストリーミング企業がこのまま成長を続ければ、どのような形の変化が訪れても不思議ではない。
スポティファイはここ2年ほどの間で小規模なスタートアップ企業を相次いで買収しており、今回のMightyTV買収もその流れに続くものだ。実際、2017年に入り、今回の買収は2件目だ。今月上旬にスポティファイは英国のスタートアップ企業Sonalyticを買収していた。Sonalyticは数百万曲の音源の中からマッシュアップやリミックス音源を特定する能力を持つ。
昨年、スポティファイはPreactを筆頭にCrowdAlbum、CordProject、 Soundwaveという4つの企業を相次いで買収した。それ以前はほとんど買収をしてこなかった。買収が増えた背景には、同社が2016年だけでも最低15億ドル(約1660億円)の資金をデット・ファイナンスの形で2度のラウンドで調達したことが挙げられる。潤沢な資金を手にしたスポティファイが買収に乗り出したのは自然な流れと言えそうだ。