そして、米国の連邦裁判所の判事たちもまた、娘がいる判事の方がリベラルな判断を示すことが多いという。その他、娘がいるCEOの方が女性の給与水準を高く設定しているとの調査結果もある。
JFEに掲載されている論文は、いくつかの興味深い事例を挙げている。例えば、米国の共和党は一般的に、同性婚に対して否定的だ。だが、同党所属のディック・チェイニー元副大統領は、同性婚を支持している。これは、同性愛者である娘の影響だという。
また、米連邦最高裁の故ウイリアム・レンキスト長官は、育児介護休業法を支持したことで女性に甘いなどとの批判を受けた。だが、これは離婚後シングルマザーとして生活していた娘の影響があったとみられている。
これらが意味するのは、どのようなことだろうか。企業のCSR活動への関与については、ある程度の説明がついたのではないだろうか。そして、CEOのどのような経験が意思決定に影響を及ぼすのかについても、理解を深めることができたのではないだろうか。一連の研究結果は、重要なものだといえる。学術的な観点からも、個人的な視点からも、興味深い内容だ。
ところで、ドナルド・トランプ大統領には2人の娘がいるが…いや、その点について掘り下げることは避けておこう。