都市ごとの投資額に関しては、ニューヨークやワシントンDC、ボストンといった東海岸の主要都市が伸びを見せている(開発中を除く15年第3四半期〜16年第2四半期の期間で大都市圏が対象)。東京は下がったものの、アジアから唯一上位に。20年の夏季五輪が徐々に近づいてくる中、今後の伸びが注目される。
1位 ニューヨーク:826億ドル/+8.5%
2位以下に大差をつけて不動産投資を呼び込んだニューヨーク。ここ数年の伸びは一段落したものの、ブルックリンなどの開発も進んでおり、見通しは安定している。
2位 ロサンゼルス:408億ドル/+9.8%
映画や金融、航空などの産業を抱える西海岸のロサンゼルス。近年は中国からの投資が増えており、不動産も人気の投資先。今後、しばらくは続くものと予想される。
3位 ロンドン:394億ドル/-31.2%
不動産投資先としては世界屈指の人気を誇るロンドンだが、ブレグジットの先行き不透明感が足かせになった。欧州首位は堅持したが、投資家離れが起きている。
4位 サンフランシスコ:305億ドル/-5.7%
ツイッターやエアビーアンドビーなどの人気テック系企業が拠点を置くサンフランシスコ。IT産業のさらなる拡大に伴い、シリコンバレーから資本が流れ込んでいる。
5位 パリ:257億ドル/+9.0%
ブレグジット騒動でロンドンへの投資額が落ちる中、フランクフルトと並んで投資が集まっているのがパリ。地価が高い中心部と比較して郊外の人気が高まりつつある。
6位 東京:255億ドル/-35.8%
数字を落としたとはいえ、今も好調な東京。20年の夏季五輪・パラリンピックを控え、都市中心部の再開発が進んでいることからも今後も資金の流入が見込まれる。
7位 ワシントンDC:205億ドル/+9.1%
ホワイトハウスや連邦議会、数多くの政府系機関がある首都ワシントンDC。最近は、中東諸国やイスラエルをはじめ、海外の機関投資家からの投資が見られる。
8位 シカゴ:190億ドル/-2.9%
オバマ政権の元首席補佐官ラーム・エマニュエル市長が積極的に進めた都市開発が、海外投資を呼び込んだ。ただ市は財政問題を抱えており、課題は少なくない。
9位 ダラス:180億ドル/+8.7%
全米で最も経済成長を遂げているテキサス州の街。建設ラッシュが進むものの、公務員の年金基金が積み立て不足に陥るなど、財政が不安定化しているという報道も。
10位 ボストン:178億ドル/+16.3%
アメリカの他の大都市と同様、ボストンも多くの海外投資を呼び寄せてきた。中心部の高層ビルや郊外の住宅建設ラッシュにより、地元に多くの雇用が生まれている。