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2017.02.03 09:00

株価70%安でもFitbit株が「買い」ではない2つの理由

A. Aleksandravicius / Shutterstock, Inc.

A. Aleksandravicius / Shutterstock, Inc.

ウェアラブル機器メーカーのFitbitの株価が70%下落している。しかし、だからといって同社の株が「買い」になるわけではない。

筆者は2000年に、Fitbitのジェームズ・パークCEOが最高技術責任者を務めていたスタートアップ企業に投資をしたが、その会社は潰れてしまった。2015年にFitbitが新規株式公開(IPO)を行う際、再び投資をしたいと考えたが、残念ながら購入申し込みは退けられてしまった。筆者よりもっと重要な投資家たちが申し込みを行っていたのだろう。

現在、Fitbitの株価はIPO時の1株20ドル(約2,260円)よりも70%低い水準で取引されている。株価の下落を“買いのチャンス”と見ることもできるが、同社の今後の見通しについて市場が悲観的な見方をしているとも受け止められる。

株価下落の原因は、会計報告の内容と2017年の見通しの悪さだった。1月30日に発表された同報告によれば、2016年の10~12月期の収益は対前年比20%減。企業再建のために全従業員の6%を解雇することも発表された。これにより年間の支出14億ドル(約1,583億円)を2億ドル(約226億円)まで削減できる見通しだという。

業績の見通しとしては、2017年前半は思わしくないが、後半は素晴らしいものになるという。パークは6月までの間に「一時的な停滞や移行の時期」がある一方で、後半は高級スマートウォッチ部門への商品拡大によって利益が見込めると予想。最終的に2017年の収益は15億~17億ドル(約1,700~1,920億円)になる見通しだという。

しかし、これは2015年と2016年の収益を下回る。さらに、2017年のフリーキャッシュフローは5,000万~1億ドル(約57億~113億円)のマイナスになるとの予想だ。

Fitbitの業績の低迷は、次の2点が原因だと考えられる。まずウェアラブル業界そのものの魅力が足りないこと、そして株価が収益成長率をベースに過大評価されていることだ。同社にはマーケット・リーダーであるという強みがあるが、新商品の発表によってそれを維持することができるのだろうか?
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編集=森 美歩

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