「社会貢献」は時計を選ぶ特別な理由になる/ブランパンCEO

photograph by Yu Mitamura

優美なドレスウォッチのイメージが強い名門ブランパンには、実はハードスペックを必要とするダイバーズウォッチの名作も存在している。「フィフティ ファゾムス」がそれで、1953年に本格派ダイバーのために作られたものだ。
 
その「フィフティ ファゾムス」が60周年を迎えた2013年に再登場したのが”バチスカーフ”。この度発表された新作のベースとなるモデルである。

「そもそも53年にフィフティ ファゾムスが開発されたときは、とくに一般向けに売るということを目的していたわけではなく、あくまでもプロのダイバーのための腕時計だったのです。だからベゼルの部分が非常に大きくて、分厚いものでした。それでもダイバー以外の人たちにも人気でした。バチスカーフはベゼルを小さく、薄くし、街中でも着けられる、より洗練されたものに仕上げたので、街中での使用率が高まったと言えるでしょう」
 
マーケティングが担当のデラムラ氏は、目論みどおりの売れ方であることを強調した。しかも、バチスカーフになったからといって支持層が変わったわけではないという。

「ちゃんとした機能をもった本物の時計が好きな人が、フィフティ ファゾムスを支持してくれているということに変わりはないのです」

そんなバチスカーフに追加された新作は、オールブルーのセラミックケースが特長の美しいモデルだ。また、売り上げの1部が海洋探査のために寄付され、総額25万ユーロがブランパンの海洋保全活動の支援へと充てられるのだという。

「お客様は支払ったお金が何に使われているのかがわかることで、たんに時計を購入した顧客ではなく、環境保全に対する貢献者となったことがわかるのです。そして、それはこの時計を選んでくださる特別な理由にもなるのです」



BLANCPAIN
Ocean Commitment Fift y Fathoms Bathyscaphe Flyback Chronograph Ⅱ

オールブルーのセラミックケースは、ピグメントの中にブルーを混ぜて成形するので、表面だけではなく中身もブルーである。ムーブメントは10振動/秒のハイビートを刻む。250本限定で、1本の販売につき1000ユーロが海洋探査のために寄付される。1,980,000円

ブランパンブティック銀座

文字通り国内ブランパンの総本山。豊富なラインナップと数多くの限定商品が揃う店内は、スイス・ジュラ渓谷のル・ブラッシュにあるブランパンの工房を彷彿とさせる格調高いインテリアで彩られている。
東京都中央区銀座7-9-18 ニコラス・G・ハイエックセンター4F
03-6254-7233

text by Ryoji Fukutome

この記事は 「Forbes JAPAN No.31 2017年2月号(2016/12/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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