インスタグラムはiOS版のアップデートを実施。iPhone 7に搭載の新型カメラとディスプレイが実現した、豊かで生き生きとした色彩をフル活用する機能を実現したと発表した。
iPhone 7が発表された際、アップルはこれまで以上に幅広い色彩をカメラやディスプレイで表現可能になったと述べていた。日差しに照らされた花などの高密度の色彩を、より美しく描写することが可能になったのだ。
アップルが“ワイドカラー”と名付けたこの機能は「DCI-P3」と呼ばれ、そもそもは映画業界で従来のsRGBモードを超える色彩の豊かさを実現するために生み出されたテクノロジーだ。sRGBはウェブのデフォルトとなっており、これまでインスタグラムも用いてきた。
DCI-P3と比較するとsRGBのイメージは表現可能な色彩のレンジが狭く、発色もおとなしい。DCI-P3対応のスマホはiPhone 7だけではなく、サムスンの発火問題を引き起こしたGalaxy Note 7のディスプレイもこの規格に対応していた。また少し古いモデルではLGのG4も対応していた。
デスクトップコンピュータの分野でもDCI-P3対応機種は登場しており、2015年のiMac やマイクロソフトのSurface Studioなどが挙げられる。これらの機種ではカラーマネージャーソフトと連携することにより、DCI-P3の色彩をフルで再現可能となっている。
しかし、色彩が正しく表示されるためには、カメラで捉えた映像をディスプレイに送出する全プロセスがDCI-P3で調整される必要があり、それが行なわれない場合、正しい色彩は表示されない。
インスタグラムは今回の仕様変更で、iOS 10の新機能を用い、カメラが捉えた色情報をDCI-P3に適合する形で保存するようにプログラムを書き換えた。アンドロイド版のインスタグラムがこれに対応するためには、同様な機能改変が必要になる。
カラーレンジの広いディスプレイがあるからといっても、ソフトウェアが対応していなければ意味が無い。この点から見て、iPhone 7はインスタグラムを楽しむ上において最も先端的な機能を持つ端末と言える。
インスタグラムのDCI-P3対応については、同社のエンジニアブログで詳細に報告されている。