―孫正義 (ソフトバンクグループ創業者)
カリフォルニア大学バークレー校を卒業した孫は、コンピューター業界に目をつけた。本格的な卸のない日本でパソコンソフトの卸ビジネスを始めれば圧倒的な1 位になれると考えて81 年に日本ソフトバンクを設立した。
やるからには世界一になると、設立直後に開催されるエレクトロニクスショーにすべてを懸けた。「小さく出して目立たなかったら、投じた資金が無駄になる。大きく出て多くの会社から注目され、業界に強烈に印象づけるしかない」と、資本金1000万円のうち800 万円を投じ、ソニーや松下電器(現・パナソニック)と遜色ないブースのスペースを確保した。
狙い通りブースの人気は群を抜いた。その結果、1カ月後には大手家電量販店から連絡が入り、順調にスタートできた。そしてついにソフトバンクは日本一のソフト販売会社をつくりあげていった。
これが単なる大風呂敷と違うのは、孫が「目指すのは300 年成長し続ける会社である」と言い、100年単位のグランドデザインを常に意識して描いている点である。