そのアップルにとって、2017年はどのような年になるのだろうか?シティグループのアナリスト、ジム・スバは、税制改革と新型iPhoneの発売、その他の追い風が重なり、年明けからは株価が上昇に転じると見込んでいる。
投資判断は「買い」
スバは12月13日に発表したリポートで、「トランプ新政権の税制改革で、アップルは大きな恩恵を受けるだろう」と述べ、投資判断を改めて「買い」とした。
「企業の海外資金の国内移転に対する税優遇措置であれ、法人税率の引き下げであれ、実施されればアップルはまさにその利益を享受できる立場にある」
トランプ次期大統領が提案しているとおり、法人税が現行の35%から15% に引き下げられれば、アップルもその株主たちも、利益を増やすことになる。シティグループの分析によれば、一株当たり利益は6%増えると予想される。
また、アップルには海外留保資金を米国内に移転するチャンスが訪れるかもしれない。同社は保有する現金の91%程度にあたるおよそ2,160億ドル(約24兆8,300億円)を米国外に留保しているとして、悪評を買っている。
iPhone以外にも期待
その他には来年、どのようなことがアップルを待ち受けているだろうか?
まず挙げられるのが、iPhone 8の発売だ。現在のティム・クック最高経営責任者(CEO)が就任して以来、同社はイノベーションの欠如について批判を受けてきた。就任以後に発表された 新型iPhoneはいずれも、「現行モデルとほぼ区別がつかない」とされてきたものばかりだ。だが、スバはiPhone 8について、驚くような要素を含んだものになる可能性があると述べている。デザインや機能の大幅な刷新が期待されるというのだ。
アップルがiPhoneから最大の利益を得ていることは間違いない。だが、アップルウォッチやその他の製品の販売動向についても、注目が集まっている(不振に終わる可能性も含めて)。
そして、スバによればアップルには、これらの他にも成長の機会がある。サービス部門(App Store、Apple Music、Apple Pay、iCloudなど)は売上高が増加を続けており、今後も同社全体の利益に貢献し続ける可能性がある。2016年第4四半期、同部門の売上高は25%増えて63億ドルに達した。
また、アップルには自社の開発した製品をより多くの事業分野に提供する機会もある。IBMやデロイト、シスコなどといった企業とすでに提携しているが、他にも多数の企業と、新たな契約を結ぶ可能性がある。