この数字を不十分だと考える女性、ベサニー・ホーマンとそのチームは、リサイクルの問題の解決に役立つ同様のアプリをつくれないかと考え、意外なものに注目した。任天堂のモバイルゲーム「ポケモンGO」だ。そして、amEco(アム・イコ)というアプリを開発した。
リサイクルをゲーム化
ゲーム化とは、課題の解決に(ポイント制や点数表など)ゲームのメカニズムを取り入れること。これ自体は新しい考え方ではなく、既に数多くのアプリが存在する。例えば「ゾンビス・ラン!(Zombies, Run!)」は通常のジョギングを、ゾンビの群れから逃げるゲームに仕立てたアプリ。「ハビティカ(Habitica)」は、ロールプレイングゲームを通していい習慣を身につける手助けをしてくれるアプリだ。
amEcoは、リサイクルをゲーム化した。ユーザーは再利用可能なものを専用のamEcoごみ箱に捨てることで、アプリに登場する小さな可愛い生き物を「救出する」ことができる。生き物を救出するとポイントを獲得する仕組みで、ほかのユーザーと獲得ポイント数を競っていく(点数表が表示される)。
クラブへの加入や単発イベントへの参加でレアアイテムが獲得できるといった要素もある。あまり面白味のないリサイクルを、誰でも参加できる楽しいゲームにするアプリなのだ。
市場を獲得できるのか?
amEcoは生まれたばかりだ。まだ未発達で、amEcoリサイクル用ごみ箱ができていないし、資金調達もできていない。アイデアは正しい(ポケモンGOの成功がそれを証明している)が、成功するかどうかが判断できるまでには、まだ解決すべき問題がたくさんある。
彼らの現在の計画は、インディアナ州環境管理局からの助成金を確保し、それで試作版を製作するというものだ。その後、ベータ版の試験を行うとともにアプリ内課金の機能を開発したいと考えている。最終的にはアプリ内課金やamEcoのステッカー、リサイクル会社とのパートナーシップから収益を得られるようにするつもりだ。