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2016.11.13 10:00

しなやかに街を走る「ランドローバーの現在形」[クルマの名鑑 vol.3]

ランドローバー レンジローバー・スポーツ HST (photograph by Tsukuru Asada)

ランドローバー レンジローバー・スポーツ HST (photograph by Tsukuru Asada)

ランドローバーほど、英国王室に愛される自動車メーカーはない。

エリザベス女王自らがステアリングホイールを握って、スコットランド・バルモラル城周辺をレンジローバーで走り抜ける姿が報じられたのはあまりにも有名だ。女王陛下だけではない。エジンバラ公、皇太子らの英国王室すべてから支持されている。
 
実際、スコットランドの荒れた野山を自在に駆け抜けるのに、これほど優れたクルマはないだろう。いまでこそ、SUVが持て囃される時代だが、レンジローバーは1970年に登場した最初の一台から、どんな悪路でも快適に走りきれる悪路走破性を備えていた。

英国特殊空挺部隊に採用されるほどの本格的な性能を備えつつも、ロイヤルワラントの指定に応えるラグジュアリーさも兼ね備えているのが、レンジローバーの伝統であり、ユニークなところでもある。
 
伝統に彩られたレンジローバーだが、今世紀に入ってまもなく、新たにスポーツツアラーの「レンジローバー・スポーツ」が加わった。オフロード性能に特化したこれまでのモデルとは多少趣が異なって、街乗りにも適したスタイリッシュなデザインを身に纏った。同時にレンジローバーの伝統に則って、本格的なオフロード性能を備えており、室内は相変わらずラグジュアリーな空間であった。それゆえ、多くのファンに受け入れられて、2代目へと進化する。

なかでも特筆に値するのが、ラインナップの中核を担う「レンジローバー・スポーツ HST」だ。380psを出力する3LV6スーパーチャージャー・ユニットを搭載し、独自のシャシーセッティングを施すなど、車名にふさわしく、俊敏で安定した走りを実現。室内にも、特別な装備が奢られている。
 
紡がれてきた伝統の上に、現代的なエッセンスを加え、革新的な一歩を踏み出す。レンジローバーとは、そうしたブランドであり、このモデルでは、まさに“レンジローバーの今”が味わえるのだ。
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文=青山鼓

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