「そんなバカなことはできない」と誰もが思うことならば、競争相手はいないも同然だ。
―ラリー・ペイジ (Google創業者)
ウェブ検索でペイジがイノベーションを起こせたのは、強い信念を持っていたからだった。当時の常識では、ポータルサイトはユーザーをできるだけ長くサイトに留まらせる必要があった。そのため、検索速度の素早さはマイナス要素でしかなかった。しかし、ユーザー本位の検索を追求したペイジは、「世界の情報を整理し、誰もが使えるようにする」という目標のもと、有益な情報を素早く検索できることを優先した。
グーグル立ち上げ前、ヤフーやエキサイトなど大手検索会社に売却を試みたが、どれも不調に終わってしまう。ペイジにとって、ネットで最も重要な要素だった検索が、他の企業にとってはサービスの一部に過ぎず、「そんなバカなこと」だったのだ。
しかしペイジは自分の考えを改めようとは思わなかった。「他社が関心を示さないなら、自分自身でやる。ライバルがいないのは好都合だ」とグーグルを創業。ガレージの入り口に「グーグル世界本社」と書いた看板を掲げたのだ。