AI研究の権威、レイ・カーツワイルはグーグルで何を目指すのか?

レイ・カーツワイル photo by Melanie Stetson Freeman / gettyimages

世界は指数関数的に進化する-。人工知能の世界的権威、レイ・カーツワイルがワークスアプリケーションズ主催の「COMPANY Forum 2016」基調講演で語ったこととは。


AIは、この数年で大きく進化した。私は14歳の時から、脳がどのように機能し、それをもとに、どうしたらAIが機能するのかを考えてきた。こうしたアイデアを実現するために会社を始めようとしていた4年前、ラリー・ペイジに誘われた。そうして私は今、グーグルにいる。

人間の脳は、言葉をつかさどり、音楽を楽しむことができる。それを私たちは拡張して、さらにクラウドで進化させていこうと考えている。今、目指しているのは、AIが人間の言語の意味まで理解できるようにすることだ。長期的には対話もできるようにしたい。そしてグーグルの製品に、研究の成果を還元していきたいと考えている。

私は30年前に、未来予測のためにデータを集めた。情報技術に関しては未来を予測することが可能で、その進歩は「直線的」ではない。指数関数的に倍増して飛躍していくのだ。まさにインテル創業者の一人、ゴードン・ムーアが提唱した「ムーアの法則」のように。

こうしてAIが飛躍的に進化を遂げた結果、2030年にはAIの能力が人間を超えるだろう。それが意味するのは、素晴らしい技術が、人間を助け、私たちをさらに賢くしてくれるということだ。人間とAIの関係は「どちらがコントロールするか」ではない。ただし、火の発見によって暖を取り、料理ができるようになった一方で、火事ももたらした。テクノロジーが約束してくれる未来をどのように明るくするかは、人類の課題だ。

基調講演=レイ・カーツワイル

この記事は 「Forbes JAPAN No.29 2016年12月号(2016/10/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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