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2016.10.25 10:00

リクルート発! ZIP WORKで「働き方」が変わる


週2、3日の勤務で、かつ短時間で働く人々とは、必ず引き継ぎも必要になる。

「どんな仕事があり、どこまで進んでいるのか。可視化し、チーム内で共有できるようにもなった。結果的に、タスクの管理がしやすくなったんです」

ZIP WORKのような働き方が有効かどうか、実際に検証する必要がある、と考えた二葉は、まずリクルートグループのなかで声を掛けてみた。回ったのは9社。

週3日、短時間勤務したい男性も

スキルもリソースも足りず、十分に取り組めていない仕事はある? と尋ねたところ、意外にもすぐに「あるよ!」という答えが返ってきた。約30人分の仕事が、想像以上にスムーズに集まった。たとえば、「広報」「人事」「マーケティング」「事業開発」の仕事だ。

9月20日には、ZIP WORKのスタートキャンペーンとして、リクルートグループが人材の募集を開始。派遣社員やアルバイト社員として受け入れる予定だ。応募者のなかには、「起業をしたが、並行して週3日、スキルを活かし短時間勤務をしたい」という男性も現れた。

ZIP WORKとして専門性を問う仕事にこだわったのは、企業側のニーズにも合致しなければ、この働き方は成立しない、と考えたから。採用環境が厳しくなっているいま、「フルタイム」という枠を外すことで、企業も専門的なスキルを持つ良い人材に巡り合えるかもしれない。

ZIP WORKにおいて二葉がこだわるのは、キャリアアップの機会を設ける、ということ。時間の制約があっても、成果を求め、能力を伸ばし、市場価値を上げていく仕組みをつくりたい。

企業の生産性向上を実現するためには、働き方改革を通じて投入する労働時間を減らしながら、いかにイノベーションを起こしうる多様性を組織に生み出すか、がポイントだ(図表参照)。



今後、国を越えたプロジェクトや、短期間でトライ&エラーを繰り返しながら進めるプロジェクトが社会に増えていくのは明らかだ。多様な人々が、働く時間や場所の垣根を越えて同じチームでワークする、というニーズは企業にも増えていくだろう。

今年中には、プロジェクトに共感する企業にも、ZIP WORKを広げていきたい考えだ。

「私はいま、ZIP WORKERだ」

そんな風に言葉も社会に浸透していけば、と思う。働く意志のある育児中の女性に出会ったという経験が、社会全体の「働き方」を変える可能性を持つプロジェクトとして、新たに動き始めた。


■ZIP WORKの「3つの特徴」

1. 時間が限定された仕事である
2. 専門的な知識やスキルを活かせる
3. 専門性に見合う報酬と、昇給などのキャリアアップの機会がある

iction!プロジェクトとは



「育児」と「アクション」を組み合わせた言葉であり、2015年7月より本格始動。第一子出産後に仕事を辞めた女性の約4割が後悔しているというデータもあることから、働き方にアクションを起こす、社会全体でアクションしていく、という言葉を込めている。

二葉美智子◎大学卒業後の1999年、リクルートに入社。人材領域の営業を経て、2005年から人材領域の中国展開を担当。約4年の上海赴任後、グローバル人事や中途採用、ダイバーシティ推進、CSRを担当し、16年4月より現職。今の夢は、自身が続けてきたバイオリンを3歳の娘と母娘で弾けるようになること。

編集=Forbes JAPAN 編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.29 2016年12月号(2016/10/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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