同社はまた、主力製品である下着の分野でも、相次ぐ競合他社の参入と競争の激化に苦しんでいる。その同社は先ごろ、普段着としても使うことができるファッショナブルなスポーツウエア、「アスリージャー」ラインの新ブランド「VSX」で再び同市場に打って出た。
これで同社は、起死回生を果たせるかもしれない。ただ、それは一時的な成功に終わる可能性がある。ファッション・メディアの間では、アスリージャー人気にはすでに陰りがみえるとの声が出ているのだ。
アスリージャー人気の“終わり”がささやかれ始めた中、ヴィクトリアズ・シークレットをはじめ関連製品を手掛ける各社は今後、トレンドに耐性を持つ企業になるため、どうすればいいのだろうか。
アスリージャー人気はもう下火?
投資コンサルタント会社J.ロジャーズ・ニフェンWWE(J. Rogers Kniffen WWE)のジャン・ロジャーズ・ニフェン最高経営責任者(CEO)は、今秋に向けてアスリージャー製品を仕入れた小売業者らが売り上げの伸びを予想していないことが、同分野の人気が下火になっていると考える主な理由だと説明する。また、カジュアルファションとしてアスレチックウエアを取り入れている人が、男女を問わず減っていることも指摘している。
さらに、人気がすでにピークを越えたことを示すデータもある。各種データを提供するスポーツスキャン(SportsScan)によれば、スポーツアパレルの売上高の伸び率は、2015年にマイナスを記録しているのだ。このデータのみでアスリージャーがもう「終わり」だと判断することはできないが、それでもニフェンCEOは、その時期は近いと予測している。