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2016.09.21 08:00

ヴィクトリアズ・シークレットがアスリージャーに進出、「遅すぎ」の声も


ブームの終わりを予見しているのは、ニフェンCEOだけではない。フィットネスアパレル、ルルレモン(Lululemon)のチップ・ウィルソンCEOは先ごろ、ビジネス関連ニュース専門のウェブサイト、「ビジネス・インサイダー」に対し、同様の見解を示した。ルルレモンはすでに、アスリージャー以外の分野でのビジネスに着手しているという。

ウィルソンCEOは最新のトレンドである「アスレチックでテクニカル」なウエア、「ストリートニック」の分野でトップになることを目指している。ストリートニックがアスリージャーと異なるのは、パフォーマンスを最重要視したデザインであるという点だ。アスリージャーが重視していたのは、性能よりもデザインだった。

失敗を繰り返さないためにすべきこと

アスリージャーとアスレチックウエアは、同一のものではない。アスリージャーが流行のあるファッションである一方、アスレチックウエアは性能を重視した衣類だ。運動をする人がいなくならない限り、需要がなくなることはない。

ヴィクトリアズ・シークレットは「VSX」ラインにより、ストリートニックの趣を強めた本物のアスレチックウエアを目指しているとみられる。新製品はブランド戦略において、これまで同社の代名詞でもあった「セクシーさ」を前面に出していない。

同社をはじめ、この分野で競合する各社が今後に直面する最大の課題は、間違いなく適切な製品を提供するために、多岐にわたる顧客の個性を確実に理解することができるかどうかという点だ。

各社はあらゆる世代の消費者の声を聞くことで、どのような行動が利益につながるかを確実に把握することができるだろう。ヴィクトリアズ・シークレットは、ファッション性重視のアスリージャー・ブランドを目指す方向に再びとらわれてはならない。

各社の成功は、性能を最重要視した製品を開発する能力と、活動的な女性たちに語り掛け、常に変化する一般的な消費者のニーズから視点をそらすことなく、既存の販売チャンネルを活用していく能力にかかっている。

編集 = 木内涼子

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