被告の有罪答弁で非常に重要な点は、排ガス規制に適合していないディーゼルエンジンの搭載車を米国内で販売できるようにするため、VWが虚偽の試験データを提出した詳しい経緯を被告が知っていること。そして、来年1月に言い渡される量刑を軽減するため、検察当局に不正行為や関与した人物に関する詳細な情報を提供する司法取引に応じたことだ。
米国でディーゼルエンジンの性能に関する部門の責任者だったリアン被告は法廷で、VWが自社のディーゼル車を米環境保護局(EPA)の排ガス試験に合格させるため、「ディフィート・デバイス(無効化装置)」と呼ばれる不正なソフトウエアを使用している事実を伏せていたことを知っていたと証言。自身の有罪を認めた。
被告はまた、自らが2006年に新型のディーゼルエンジンを設計した技術チームの一員だったと明言。技術チームは早い段階で、新型エンジンが顧客らの期待に応えることも、米国の厳しい基準を満たすこともできないことにも気づき、不正なソフトウエアを開発したと述べた。このソフトウエアは、排ガス試験中には排ガス浄化装置がフル稼働して有害物質の排出レベルを基準値以下に抑える。だが、実際の走行時には走行性能を高めるために浄化装置の稼働を制限するため、ディーゼル車は大量の有害物質を排出する。