廈門(アモイ)市に本拠地を置くMeituは香港で今年中に上場する予定だ。関係筋によると、少なくとも5億ドル(約512億円)を調達し、時価総額50億~60億ドル(約5,120億~6,140億円)を目指している。そうなれば2016年のテック系IPOとしては、7月にニューヨークと東京で同時上場して13億ドル(約1,330億円)を調達したLINEに続き、世界2位の規模となる。
Meituは4月の投資ラウンド後、時価総額37億ドル(約3,790億円)と評価された。IDG、啓明創投(Qiming)、タイガー・グローバルなど有力なベンチャーキャピタルがMeituに出資した。
しかし、目論見書の内容は将来性を疑うようなものだ。Meituの代表的な写真アプリでは数クリックで見た目を向上することが可能で、中国の多くの若い女性の間で必須アプリとなっている。目論見書によるとMeituのアプリの月間アクティブユーザー数は4億4,600万人で、ツイッターの3億1,000万人やLINEの2億1,800万人よりも多い。アプリを分析するApp Annieによると、現在アップルのアプリストアにおける中国の写真アプリトップ10のうち4つがMeituのものだ。
しかしIPOでMeitu株の購入を検討している投資家とって心配なのは、巨大なユーザーベースを誇っているのにもかかわらず収益化する確実な方法が打ち出されておらず、今後の成長の鈍化が予測されていることだ。
Meituの売上を伸ばしているのは主にスマホ販売で、目論見書によると2016年上半期の売上5億8,500万元(約90億円)の95%を占めている。2013年以降、同社は顧客を増やすために写真のクオリティを上げるカメラを搭載したスマホを販売している。